◇「頑張りすぎないで」「本当の笑顔を」
神奈川県平塚市諏訪町の県立平塚江南高の生徒会メンバーらが、東日本大震災で被災した宮城県の県立石巻高校の生徒に向けて応援メッセージの寄せ書きを送った。「高校生に何ができるだろうか」と考え、多くの生徒の協力で熱い思いをつづった。「顔を見たこともない他県の高校生からのメッセージが、精神的な支えになってくれれば」と生徒は話す。【渡辺明博】
「頑張りすぎないで」「いつか本当の笑顔を取り戻せる日が来るよ」「自分たちには何もできないけれど……」。メッセージが書き込まれた縦横約2メートルの布地には、生徒百数十人の温かい言葉が並ぶ。きっかけは、避難所になった高校の生徒が被災者の肩をもんだり子どもの世話をする姿を江南高の多くの生徒がニュースで見たことだった。同じ高校生がボランティアとして働く姿が心を揺さぶる。「では自分たちは何ができるのか」。自問自答の中から「被災した生徒を支えよう」と考えた。
4月上旬から生徒通用口に布を張り、マジックを置いたが最初は書く人はほとんどいなかった。生徒会メンバーらが書き出すと、次第にメッセージが増え、瞬く間に全面に生徒の思いが書き尽くされた。「頑張れ。そう考えている同じ気持ちの人がこの高校にもいっぱいいた。大変だったけど生徒の気持ちが伝わるはず」とメッセージを発案した3年の女子生徒は振り返る。
避難所になっている高校に送るため、宮城県内の新聞社に問い合わせ、石巻高を紹介された。13日に同校に発送。体育館に掲示することになっており、生徒会長の重信大志君(3年)は「書いた人の気持ちが伝わってくれればうれしい」と話している。
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