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「復興の象徴」泳がせたい 震災経験者らニシキゴイ放流

東日本大震災の被災者を励まそうと、過去に地震で大きな被害を受けた神戸市長田区と新潟県長岡市(旧山古志村)の有志が、旧山古志村のニシキゴイを福島県いわき市へ届ける計画を進めている。旧山古志村は国内有数のニシキゴイの養鯉地で、新潟県中越地震からの復興の象徴として神戸へ贈られたことも。関係者は「復興の証しのニシキゴイを贈り、被災地の子供たちを元気づけられたら」と話している。

計画を進めているのは神戸市長田区の1級建築士、ソウ(恵の心を日に)弘利さん(57)と旧山古志村の養鯉業、田中重雄さん(57)ら。震災後、被災者支援にといわき市を訪れたソウさんが「ここにも復興の象徴となったコイを泳がせられないか」と田中さんに相談したのがきっかけだった。

神戸市長田区では、平成7年の阪神大震災で921人が死亡。全焼建物は市内の全焼数の約7割に相当する約4800戸にのぼった。旧山古志村も、平成16年10月の中越地震で村内すべての道路が寸断され、全集落が孤立状態に。全域の避難指示が解除されたのは2年半後の19年4月だった。

阪神大震災で事務所が全壊、仕事もできなくなったソウさんは、街がめまぐるしい復興を遂げる中、「一人取り残されたような気分」を感じたという。同様に職を失った友人が自ら命を絶つなど、つらい日々が続いた9年後、中越地震を目の当たりにして「いてもたってもいられなくなって」、旧山古志村に駆けつけた。住民票も移し、街の復旧に奔走。「関西に山古志の現状を知ってもらいたい」と、神戸に戻っても被災地の情報を発信した。

田中さんは中越地震で自宅と養鯉池を失い、50日間にわたり避難所で生活。全国の同業者の支えもあって廃業の危機を乗り越え、地震で生き残ったコイ数匹を育てるなどして再起した。支援活動に取り組んでいたソウさんと知り合う中、「避難所で励ましてくれた神戸のボランティアにお返しをしたい」と、20年からソウさんを通じて神戸へコイを贈り始めた。以来、コイは2つの被災地を結ぶ懸け橋となっている。

ソウさんらは16日に改めて被災地に入り、ニシキゴイの放流する場所を検討する。「思う存分遊び回れない子供たちに元気に泳ぐコイを見て元気を出してほしい」とソウさん。田中さんは「被災者はつい頑張りすぎてしまう。コイを見て少しでも心を休めてもらえたら」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110513-00000139-san-soci

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