ゴールデンウイーク中盤の3日、乙訓各地の神社や寺院で伝統の祭礼が営まれ、住民がみこしなどを引きながら地域を巡行した。かわいらしい稚児行列などを、沿道を行き交う人たちがカメラに収めた。
■街道彩る稚児行列 花祭り 石塔寺
京都府向日市鶏冠井町の石塔寺では、釈迦(しゃか)の誕生を祝う「花祭り」が営まれ、稚児たちが、色鮮やかな衣装に身を包み、西国街道を練り歩いた。
午前11時に稚児行列が市中央商店街を出発した。路上で、題目やうちわ太鼓を響かせる僧侶たちに続いて、アヤメの造花を手にした子ども18人が台座に乗った白象を引きながら歩き、約500メートル南の石塔寺に到着した。
本堂で営まれた法要では、武田幸弥住職が導師を務め、参列した稚児や檀信徒らが手を合わせ、東日本大震災の犠牲者を供養した。
また、府無形民俗文化財に指定されている「鶏冠井題目踊り」の保存会のメンバーが、扇子やすげ傘を使った伝統の踊りを奉納したほか、恒例の胡弓の演奏も行われ、祭りを盛り上げた。
■法被姿でまち巡行 神足神社、勝龍寺でみこし
京都府長岡京市東神足の神足神社では、神幸祭が行われた。子どもたちや氏子約300人がみこしを引きながら、まちを巡った。
正午すぎから拝殿で神事が執り行われた後、祭りの行列が出発。鼓笛隊の奏でる太鼓や笛の音に合わせ、法被姿の子どもらが2基のみこしを引いて進んだ。
一行は、神社から神足橋を渡り、お旅所の神足公民館まで約2・5キロのコースを歩いた。神幸祭は戦前から続く神足神社の伝統行事で、5日には還幸祭が営まれ、みこしがお旅所を出発して神社に帰る。
また、同市勝竜寺の勝龍寺でも午前11時から、寺の祭礼で子どもみこしの巡行が行われた。地域の子どもたち30人が、酒樽(さかだる)を乗せた「たるみこし」を引きながら、「わっしょい、わっしょい」と威勢の良いかけ声をかけて歩き、祭りに彩りを添えた。
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