[ カテゴリー:食の安全 ]

コリアン食材、日本人にも重宝 クアラルンプールでじわり浸透

クアラルンプール中心部にそびえるペトロナス・ツインタワーから、各国大使館が立ち並ぶアンパン通りを東へ5キロほど進んだところに「コリアンタウン」と呼ばれる区域がある。一帯は在留韓国人たちが地域社会を形成し、リトルコリア(小さな韓国)と化している。

◆安くておいしいコメ

多民族国家マレーシアの大半を占める中国系やインド系の人々が作り上げた中華街やインド街が今や観光地化したのとは対照的に、コリアンタウンは人々の生活のにおいがする。このリトルコリアの出現が、クアラルンプールで生活する日本人にも大きな影響を与えている。

現在、マレーシア在住の韓国人は2万人以上といわれる。ここ数年は減少し続けている日本人と比べて2倍以上の人数で、勢いを増している。韓国レストランも増え続け、その数は200軒を超す。うち半数が、首都クアラルンプールおよび周辺地区に集中している。

レストランとともに充実してきたのが、韓国直輸入の食材を中心に雑貨や日用品まで販売するミニスーパーマーケットだ。韓国には四季があり、旬の食材も豊富で、日本との共通点が多く、韓国系スーパーは在留日本人も何かと重宝する。

たとえば、コメ。海外に住む日本人は食生活で日本産のコメが恋しくなるが、マレーシアではインディカ米(長粒米)やジャスミン米(香米)が主流で日本の白米(ジャポニカ米)は現地スーパーでは購入者が限られているため、量も種類も少なく、片隅に追いやられている。

インディカ米やジャスミン米はマレーシア料理とは相性が抜群なのだが、家庭で作る和食には合わない。日系スーパーに行けば、日本から輸入した日本産米が買えるものの、非常に高価だ。日本産米と同じ品種の米カリフォルニア産や中国産、台湾産のコメは、品質にばらつきがあったりする。在留日本人の間では、コメ選びが長く頭痛のタネだった。ところが、昨年あたりから「韓国産米が安くておいしい」と評判になり、マレーシアの日本人社会で人気定着の兆しをみせている。

◆原発事故の影響も

そのほかにも、韓国系スーパーには決して広くない店内に、牛肉や豚肉、海産物、調味料など、和食用に使える食材が手頃な価格で並ぶ。

豚肉やアルコール類も提供する韓国料理店や食材店へ頻繁に足を運ぶのは、韓国人以外では日本人くらいだ。マレーシアは食の戒律が厳しいイスラム教徒が大半を占め、韓国系スーパーで売られる食材を好むのは韓国人と日本人を除けば中国系の人々だが、その割合は今のところごくわずかにすぎない。

しかし今後は、和食系の料理を作る際に、日本食材に代えて韓国食材を求める中華系マレーシア人が増えるかもしれない。東京電力福島第1原子力発電所の放射能漏れ事故によって、食の安全に対する意識が高まり、とくに日本から輸入される食材の売れ行き低下が懸念されるからだ。原発事故の影響はマレーシア国内の食卓にも及んでいる。(在マレーシアジャーナリスト 大野素子)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110427-00000030-fsi-bus_all

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