■ひと工夫 野菜も主役級
いよいよゴールデンウイーク。家族や友人とわいわいバーベキューするにも楽しい季節がやってきた。肉に魚、野菜…何を焼いてもおいしいけれど、市販の焼き肉ダレばかりではちょっと、つまらない。ソースを工夫して「ワンランク上のバーベキューを」と提案する料理研究家の田中愛子さんに、その技を教わった。(岸本佳子)
和洋中エスニックからスイーツまで、幅広いレパートリーを誇る田中さんだが、シンプルな料理、バーベキューも大好き。「去年も一体何回バーベキューしたかしら…。毎年今ぐらいの時期から、人が集まればしょっちゅうやってますよ」とにこやかに話す。
料理研究家のバーベキューとあって、時には珍しい食材も登場するが、基本は「お肉でしょう、それに魚介、こんにゃくや厚揚げもおいしい」。そしてたっぷりと野菜を焼く。
肉や魚介ばかりで野菜はあまり食べないという人も、田中家のバーベキューではつい、食べてしまう。その秘密は、自家製ソース。グリル野菜のうまみをぐんと引き出してくれる特製ソースを、「最低、5種類ぐらいは用意しています」というから、さすが。
最近一番のヒットは「キャロットソース」。ニンジンやタマネギと、しょうゆなどの調味料をミキサーにかけるだけ。野菜の甘みに練りごまやニンニクの風味が重なり合って、優しく深い味わいのソースになる。冷蔵庫で2、3週間保存できるので、サラダのドレッシングや春巻きのソースなど、いろいろな使い方も楽しめる。
そしてもうひとつ、「自家製マヨネーズソースもおすすめですよ」。こちらも、卵黄や酢、粒マスタードなど材料を混ぜるだけ。さらに「ハーブも加えてグリーンのソースにしましょう」。田中さんが向かったのは、ベランダ。コンテナで栽培しているハーブの中から、タイムやディルなどを摘み取り、刻んでマヨネーズソースに加えると、さわやかな特製ソースのできあがり。
このほか、男性陣に人気の「自家製焼き肉ダレ」に、スパイシーな「サルサソース」も登場。焼き上がった野菜をもりつけ、キャロットソース、マヨネーズソース、サルサソースを添えると、まるで、フレンチレストランの一皿のように大変身。ソースは単独でも、3種類まぜても、どちらもおいしい。
野菜は焼く前に、オリーブオイルとレモン汁をからめてさっとマリネしてある。このひと手間もおいしさのコツ。そして特製ソースがあれば、野菜も主役級になれるのだ。「野菜のおいしさを存分に味わってくださいね」と田中さん。
あとは、お天気になりますようにと願うばかり。
≪キャロットソース≫
【作り方】
ニンジン、タマネギ、ニンニクを薄切りにし、ミキサーにすべての材料を入れてしっかり攪拌(かくはん)する。
【材料】
ニンジン 1/4本
タマネギ 1/4個
ニンニク 1/2片
しょうゆ 小さじ5
酢 小さじ5
練りごま 大さじ11/2
いりごま 大さじ1/2
サラダ油 40cc
【プロフィル】田中愛子
たなか・あいこ 昭和24年大阪市生まれ。海外で料理やパーティーコーディネートを学び、平成12年「キッチンカンバセーション」設立、テレビ等で活躍中。2年前に「食育ハーブガーデン協会」を立ち上げ食育にも取り組む。5月18日から31日までJR大阪三越伊勢丹で「食卓のフィロソフィー」をテーマにテーブルコーディネートを提案する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110428-00000137-san-soci