中国政府・衛生部は3月、「食品中に違法に添加されている可能性がある非食用物質と乱用されている食品添加物リスト」を発表した。同リストは違法添加物47種を挙げたが、うち22種は現在のところ検出方法が確立されていないという。中国新聞社が報じた。
違法添加物47種は、スーダンレッドやメラミンなど、これまでに食の安全に絡んで発生した多くの事件の「主役級」物質だという。リストは一部の物質について「標準的検出方法」を付記したが、25種については検出方法が空欄または「無」と書かれている。実用的な検出方法が確立されていないからという。
「検出法の確立を急ぐべき」との声と同時に、専門家からは「そもそも、検出法が注目されることが異常」との意見も出た。中国食品添加物標準化技術委員会の陳君石主席は「食の安全は本来、監視や検出にたよるべき問題ではないはずだ。製造過程をしっかりと管理せねばならない」と主張した。すべての食品を検査すれば、膨大なコストと時間がかかり、決して現実的な方法ではないという。
中国の「食品安全法」では、「食品生産工場や加工場、販売事業者は扱う食品が衛生的で無毒、無害であることを保障せねばならない」と定められているが、行政による具体的な監視・監督は各地方政府にまかされている。実際には「縦割」の弊害で、各部門が積極的に関与しようとせず、食の安全問題について、行政が十分に機能していない例が多いという。(編集担当:如月隼人)
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