◇投票率過去最低、震災で自粛ムードも
統一地方選後半戦の長岡▽柏崎▽新発田▽小千谷▽加茂の5市と田上▽湯沢▽刈羽の2町1村の計8市町村議選は24日、投票が行われ、即日開票された。新議員計165人の顔ぶれが決まった。東日本大震災や東京電力福島第1原発の事故への対応が続くなか、柏崎刈羽原発が立地する柏崎市議選や刈羽村議選では、前半戦の県議選に続き、原発の安全性を巡る論戦が繰り広げられるなど、各選挙戦で地域防災のあり方などが焦点となった。新議員には今後4年間、各市町村の地域振興や農業問題などへの対応が託される。大震災を受けた自粛ムードのなかでの選挙戦となり、投票率はすべて過去最低となった。【小川直樹】
◆長岡市議選
定数38を2人上回る40人で争った。
市内には大震災により大勢の避難者が身を寄せていることから、3月議会では選挙カーの使用自粛を決議。そのため、現職を中心に選挙カーを使わず乗用車などで移動し、防災対策や地域の活性化などを訴える候補が目立った。
一方、新人は選挙カーを使用したものの、避難所の近くでは名前の連呼を控えるなど、自粛ムードが漂う選挙戦となった。【岡村昌彦】
◆柏崎市議選
◇原発論戦、難しい判断 生計かかわる住民も
前回から4減の定数26に対し、30人が立候補。福島第1原発の事故を受けて、柏崎刈羽原発の地元にも不安が広がるなか、推進・容認派と反対派が原発の安全性を巡って論戦を繰り広げた。
選挙戦では、推進・容認派の候補が柏崎刈羽原発の安全対策の強化を強調した一方、反対派は同原発の総点検や原発依存からの脱却などを訴えた。
推進・容認か脱原発か--。有権者も、原発への不安を強める一方、原発関連で生計を立てている関係者も多いことから、難しい選択を迫られた。【岡田英】
◆新発田市議選
前回から3減の定数27に対し、新人7人、元職3人、現職19人の計29人が立候補。今回、9人が引退した一方、新人7人が立候補し、「世代交代」が焦点となる選挙戦となった。【川畑さおり】
◆小千谷市議選
前回から3減の定数16を18人が争った。当初、立候補予定者数が17人にとどまっていたため、3月議会で定数を削減。今後は、地場産業の発展や少子高齢化対策などが課題となる。【岡村昌彦】
◆加茂市議選
20議席を21人で争う少数激戦となった。同時に告示された市長選で無投票5選を決めた小池清彦市長(74)へのスタンスも問われる選挙戦となった。また、地域防災も焦点となった。【塚本恒】
原発より地区代表選び刈羽村議選全域10キロ圏に不安も
◆田上町議選
定数14に対し、16人が立候補し、12年ぶりの選挙戦となった。現職6人を4人上回る新人10人が名乗りを上げ、「世代交代」が焦点となる選挙戦となった。【塚本恒】
◆湯沢町議選
定数12に対し、15人が立候補。同町は地方交付税の不交付団体だが、11年度の一般会計予算は約60億円と予算規模が小さいだけに、固定資産税の滞納の一掃など、財政の健全化が焦点となった。【神田順二】
◆刈羽村議選
定数12に対し、14人が立候補。福島第1原発の事故を受け、全域が柏崎刈羽原発の10キロ圏内に入る同村でも原発への不安が広がり、推進、反対両派が原発の安全性を巡って論戦を繰り広げた。しかし、実際には地区代表を選ぶ色合いが強く、支持層を着実に固めた候補が当選した。【岡田英】
………………………………………………………………………………………………………
◇8市町村議選の投票状況◇
市町村名 当日有権者数 投票率(%)
長岡市 229,339 53.51
柏崎市 74,712 66.64
新発田市 83,905 57.69
小千谷市 31,988 71.01
加茂市 25,346 61.67
田上町 10,637 64.92
湯沢町 6,824 77.67
刈羽村 4,006 80.63
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110425-00000156-mailo-l15