中国の食品スーパーを日本のそれと比べたときの最も大きな違いは、「半製品」や「レトルト製品」の種類の少なさだろう。例外は冷凍食品やインスタントラーメンぐらいだ。
レンジの普及率の違いや、そもそも外食にあまりお金がかからない、といった理由もあるだろうが、もともと中国では加工食品への信頼度が日本と比べて断然低い。ハムやソーセージでさえ、何を加えているか分からないといって、まったく買わない人がいるほど。実際、最近も著名ハムメーカーの添加物問題が関心を集めたばかりだ。
それでも、都市生活の加速化に対応してか、以前に比べればスープや調味料などに半加工品的なものは増えている。だが混ぜるだけ、温めるだけ、といったレトルト食品はまだまだ希少。加工技術の差もあるだろうが、かりに登場しても、プラスチックの耐熱性への信頼度が低い中国では、普及に時間がかかりそうだ。以前、日本製のレトルトパックを中国人の友人の前で熱湯に入れたら、友人はかなり驚きと不安をあらわにした。
とはいえ、日本の大震災の影響で、中国でも各家庭に非常持ち出し袋を備えるべきだ、という報道が行われている。スローフードの流れには反するが、非常食の充実化の必要からも半製品の需要は今後も高まっていくだろう。(文/林静)
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