【東日本大震災】
東日本大震災の被災各地で、復旧情報や行政情報を提供する臨時災害FM局が相次いで設立されている。総務省によると、13日までに計20局が開設され、過去の総開設数(6局)を大幅に上回った。有事の際には、被災者の情報の“頼みの綱”ともなるラジオ。免許期間は2カ月間だけだが、更新も簡単にでき、中には、復興を見届けるまで続けようという意欲を見せる局も出ている。(宮本尚明)
被害の大きかった宮城県名取市で10日に開局した「なとりさいがいエフエム」。免許を取得したばかりの7日夜には過去最大の震度6強の余震に見舞われたが、開局前にもかかわらず、急遽(きゅうきょ)放送を行って情報を伝えた。
同局の責任者、若生毅弘さん(47)は「名取市という限られた範囲の市民に、『うちの近所はどうなったのか』という情報をすぐに伝えられるのはこのラジオしかない、という思いで放送した」と話す。
10日の開局後は、午前9時から午後5時まで生放送。被災者を元気づけるイベントの放送や避難所での感染症対策などの情報を届けるのがねらいで、災害が起きた際には速報する。
総務省によると、災害FM局は、地震などの災害時に被害軽減に役立つ情報を流すため、自治体が総務省から免許を受けて臨時に開設できる。阪神大震災直後の平成7年2月に兵庫県が初めて開設し、その後の災害でも活用された。
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