福島第一原発事故で避難指示が出されている20キロ圏内の自宅に、ペットを残したまま避難した飼い主らが、餌やりなどのために一時帰宅するケースが目立っている。
飼い主からの依頼を受け、動物愛護団体やボランティアも、ペットの救出に乗り出しているが、福島県は「避難指示区域となっている以上、絶対に立ち入らないでほしい」と呼びかけている。
「自宅に猫を置いてきてしまったんです。どうしていいのか……」
被災地でペット救助を行う動物愛護団体に、福島県浪江町から避難したという女性から涙声で電話が入った。電話を受けた男性スタッフは、飼い主の女性と待ち合わせ、車で半径20キロ圏ぎりぎりの所にある女性宅に向かい、愛猫を無事、保護した。男性スタッフは「飼い主にとって、ペットは心の支え。亡きがらになっていたとしても、この手で抱きしめたいと思う」と話す。保護された猫は、同団体が管理する県外の施設まで運ばれ、そこで面倒を見てもらうことになった。
震災以降、同団体には、一時避難の際に自宅に残してきたペットの保護を求める電話がひっきりなしにかかってくる。救助要請の件数は既に100件を超え、犬や猫など60匹以上のペットを保護した。飼い主の中には、警備の目を盗んで20キロ圏内の自宅に戻り、ペットを連れ出す飼い主もいるという。
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