めまいや立ちくらみ、“隠れ進行”の熱中症かも 救急医「がんばりすぎただけかな…に要注意」
東海地方は危険な暑さが続いています。各地で猛暑日の連続記録が過去最長を更新する中、“隠れて進行する”熱中症にも注意が必要です。
16日午後1時半すぎに40.0℃に達した、岐阜県美濃市。
「本当に暑くて、日傘をさしていても汗が止まらない。さっき冷やし茶漬けを食べてきました」(街の人)
最高気温が40℃になったのは、実に6年ぶりです。
名古屋市の16日午後3時までの最高気温は38.0℃で、猛暑日は23日連続となり、観測史上最長を更新しました。
「外に出てみて最初に、うわっ暑いなって」(街の人)
各地で観測史上最高を記録
東海3県の16日の熱中症搬送者数
また三重県の尾鷲では、観測史上最高となる38.8℃まで上昇しました。
16日に熱中症の疑いで救急搬送された人は、これまでにわかっているだけで、愛知県で12人、岐阜県で1人、三重県で2人となっています。
「地球が、どうなってしまうのかな…」(街の人)
体調の異変を訴える人も…
暑さで体調の異変を感じる人も
記録を更新し続ける、この夏の暑さ。
街で聞くと、体調の異変を訴える人が多くいました。
「夕方になると、だるいです」(女性)
「体は疲れる傾向にありますし、睡眠もとれない」(男性)
「貧血になりがちで、くらくらっときちゃったり。疲れが抜けないっていうのは、最近あるかもしれない」(女性)
“隠れて進行する”熱中症
熱中症の重症度は4段階
こうした症状、実は“隠れて進行する”熱中症かもしれません。
長引く猛暑は、体にどんな影響があるのでしょうか。
名古屋市立大学病院救急科の坪内希親医師が危惧するのが、暑い日が続くことで、知らない間にじわじわ熱中症が進行することです。
熱中症には、重症度に合わせて「1度から4度」まであり、度数が上がるほど重症度が高くなっています。
1度は、めまい、立ちくらみ、こむら返りなど。
2度は頭痛や嘔吐、倦怠感などで、3度は意識障害、肝・腎機能障害など。
そして4度は、深部体温40度以上で意識がないものなどがあります。
2日間で重症化した例も
1度、2度の症状は、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
「仕事で疲れたのかな」「お盆に遊びすぎたかな」と軽く考えがちですが、この初期段階で直さないと、徐々に進行して重症度が増してしまいます。
例えば、この夏に坪内医師が診察した70代の男性は、朝に庭仕事をした後、家でだるさを感じたものの、“ちょっと頑張りすぎただけかな”と、翌朝も庭仕事をした結果、その日の夜に立てなくなり、救急搬送されました。
坪内医師によると、男性は2日間で1度から3度手前まで進行していて、肝臓や腎臓にも影響が出始めていたそうです。
水分を多くとり、涼しい場所に
今年のような猛暑が続く日々では、涼しい時間帯が少ないこともあり、初期の熱中症からの回復が難しく、知らず知らずのうちに進行していくといいます。
1、2度の症状を感じたら、いつもよりも多い水分を取り、なるべく涼しい場所にいる時間を長くすることを心掛けてください。
また初期の症状でも、無理せず病院受診をすることが大切です。