川で溺れる子どもの事故が相次ぐ 子どもに危険性をどう伝えればよいか #専門家のまとめ
今日は東京・羽村市で、先週金曜日には広島市でそれぞれ中学生が川で溺れました。これらの川に共通することは、流れが穏やかで見た目では危険性を感じられないこと、深みに沈んだ状態で中学生が発見されたことです。夏休みとなり、子ども同士で近所の川に遊びに行くシーズンとなりました。子どもにはどのように川の危険性を伝えればよいでしょうか。
ココがポイント
▼急流ではない。下流の床固工により堰き止められて、穏やかな流れの現場。こういう場所こそ危ない
▼天端は水をかぶっている。ここを渡って遊ぶと、なおさら危ない。天端の上では急流となるから床固工の上には立ち入らない
▼穏やかな川では「歩いて溺れる」 だから水遊びは膝下水深にとどめるのが重要
▼広島の現場は「中州の下流」「岩肌に流れがぶつかる箇所」で、水深が急に深くなる条件が2つもそろっている
エキスパートの補足・見解
子どもに伝えることは次の通りです。
1.子ども同士で近くの川に遊びに行ってはいけない
2.歩いて深みに入って溺れる。だから子どもだけで川に入ってはいけない
3.堰のような構造物の周りは特に危険だから遊んではいけない
4.中州の下流はすぐに深くなるから、中州にわたってはいけない
5.川に遊びに行きたいのであれば、家族で救命胴衣を準備して出かけよう
よく「泳いでいるうちに溺れた」と想像しますが、子どもの溺れる川は川岸からしばらくは浅いことが多く、歩いて川の中央に向かうものです。そのうち、急に深くなり足から沈むのですが、こうなると元に戻ろうとしても川底の斜面が崩れて戻れなくなります。突然の沈水には「ういてまて」です。息を止めて水面に浮きあがるのを待ちます。そのまま背浮きになって呼吸を確保します。
陸の人は「ういてまて」と叫び、空のペットボトルなど浮き具を投げて渡します。そして119番通報をして救助隊を呼びます。
お断り フジテレビのニュースに掲載された写真はその後動画に差し替えられ、さらなる上流の床固工を映しています。