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配信者に悩む水族館 撮影禁止の訳

悪質YouTuberに悩む鴨川シーワールド 「危険自撮り棒」と「従業員を狙うカメラ」…広報が語る“撮影禁止”に至ったマナー違反の真相

家族連れが多く訪れる人気のショーにもYouTuberの“魔の手”が及んだようだーー。


《該当時間の撮影禁止におきましては、当館の利用規約をお守りいただけない配信者の増加に伴う対処となりますので、ご迷惑をおかけいたしますが、何とぞご理解たまわります様、宜しくお願い申し上げます》

7月25日、千葉県・鴨川シーワールドはXとHP上にて、8月1日から、営業日の最終パフォーマンスから終了後まで、オーシャンスタジアムへの立入りと、撮影を禁止すると発表した。撮影禁止の理由は、上述のとおり、“配信者の増加”だという。

「オーシャンスタジアムとは、円形の水槽を取り囲むようにぐるりと観客席が用意された鴨川シーワルドの人気のスポットです。通常は、1日に5回ほどシャチのショーを開催しています。もちろんショーを撮影するのは大丈夫ですが、今後は、ショーの終了後に同水槽の周囲に入れなくなることになりました」(芸能記者)

一体、何があったのか。同館は「散見される利用規約違反」として、

1.動物や他のお客様に危険が及ぶ方法での撮影
2.著作権侵害につながる撮影、ライブ配信、及び営利目的の撮影
3.撮影者と無関係なお客様及び特定の従業員のプライバシーを侵害する恐れがある撮影と公開

の3つを挙げているが……。実際に広報に確認したところ、はた迷惑なYouTuberたちの所業が明らかになった。

「まず、撮影方法に関して、当館ではカメラ用の一脚、三脚、自撮りスティック等の撮影補助機材の持ち込みを禁止しています。しかしそれらを持ち込むお客様がたまにいらっしゃるのです。それらを、水槽のガラスを超えた状態で使用した場合、動物たちは興味を持って近づいてしまいます。もしも誤って飲み込んだり、引っ張ってしまうと、お客様自身のお怪我にも繋がる可能性があります」

さらに、不当な収益をあげているYouTuberがいるというのだ。

「パフォーマンスの様子を撮影し、あたかも公式サイトかのようにアップすることで、収益化しているお客様がいるのが現状です。それを見た方が公式だと信じて問い合わせをされたりしています。本来であれば、当館に足を運んでいただいた方だけが見られるパフォーマンスですので、非常に残念なことです」

そして極めつけは従業員を狙った“盗撮犯”だ。

「特に今回、最終パフォーマンス後の立ち入り禁止にしたのは、シャチが悠々と泳いでいるのを撮るのを目的ではなく“従業員”を目的にして撮影される方が一部いらっしゃるからです。見かけた際には注意させていただくのですが、すでに動画をアップされている方が多くいて、従業員も困ってしまっています。パフォーマンスを終え、夕方の時間にシャチが悠々と泳いでいる姿を楽しみにしているお客様のいるので、大変心苦しい判断となったのですが、致し方ない結果となりました。

夏休みに入り、お客様も楽しみにされている期間ですが、直前に発表するのは、お客様にご迷惑をおかけすると考え、少し猶予を持たせた発表となりました。しかし、スマートフォンでご自身の“思い出”として撮影される分には大歓迎です。ルールを守ってぜひご来館くださいませ」(広報担当者)

これほどマナーの悪いファンが多いようでは、新たな制限をかけるのも仕方がない……。遊園地や動物園などでの“撮影マナー”は各地で問題になっている。

「代表的なのが、ディズニーランドですよね。一時期、YouTuberのあいだではディズニーランドの園内で撮影することが流行し、中で鬼ごっこをしたり、集団でダンスをするなどの動画が増えました。そこでオリエンタルランド社は商業目的の撮影を禁止すると明言しました。こうした事例は今後も増えるのではないでしょか」(芸能記者)

シャチも呆れているのでは。

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