「18歳未満は食べないで」“18禁チップス”で高校生14人救急搬送“激辛ブーム”影響か
東京都内の高校で16日、激辛のポテトチップスを食べた高校生の男女14人が体調不良を訴え、救急搬送されました。生徒はチップスを食べた後、胃の痛みや吐き気を訴えていました。
■高校生14人 痛みや吐き気
別のクラスの生徒
「昼休みが終わって、その後の授業中にサイレンが鳴って。外を見たら救急車がいっぱい来ていた」
生徒たちは、学校に持ち込んだ激辛のポテトチップスを食べ、その後、体の異変を訴えはじめたといいます。
激辛チップスを食べた生徒
「『ちょうだい』と言って取って食べた。(Q.ひと口)はい。(Q.それでも結構)辛かった。(Q.例えば痛いとかしびれるとか)痛いし、しびれもありました。(症状が重い人は)苦しそうだなと。(Q.どんなふうになっていた)座ってたり、とりあえず苦しそうだった」
救急搬送されたのは、東京・大田区の都立六郷工科高校に通う、15~16歳の生徒14人です。口や胃の痛み、吐き気などを訴えましたが幸い軽症でした。
生徒たちが食べた激辛ポテトチップス。パッケージには大きく「18禁」と表示されています。外箱や販売会社のホームページには警告文も…。
磯山商事のHPから
「辛すぎますので、18歳未満の方は食べないでください」
「高血圧、体調不良、胃腸の弱い方は絶対に食べないでください」
辛味の成分は、表面のパウダーにあるといいます。使われているのは、トウガラシの中でもハバネロよりも辛い一種、ブート・ジョロキアというものです。
なぜ生徒たちが激辛チップスを次々口にしたのか。その理由は定かではありませんが、今こんな流行があるといいます。
社会人(23)
「激辛とか最近SNSとかで結構はやっていると思うので。ノリでみんなで食べちゃうのもあるのかなと思う」
アルバイト(24)
「インスタのストーリーとか身近なものであれば、投稿してる人は一定数いるかなと。カップ焼きそばなどの特に辛い物を食べてるのを見たことがある」
社会人(22)
「(激辛などの動画は)見ますね。(Q.どういう時に見る)ご飯食べる時とかに見ながら食べてとか。自分ができないことなので、他の人がやってると興味はあります」
辛い物を食べて、その反応を見せる映像は、ネットを通じて世界的なブームになっています。ただ、アメリカでは心疾患がある14歳の少年が、この手の商品を食べた直後に死亡する事案も起きています。
■医師も警鐘 出血や意識失うことも
暑い夏に激辛グルメは定着しつつもありますが、個人差や体調によってはリスクがあることも理解が必要です。
イシハラクリニック 石原新菜副院長
「激辛を食べると粘膜に刺激が強いので炎症が起きたり、粘膜からの出血、食道や胃、腸から出血が起きたり。辛いことに対して体がびっくりするので、血圧が上がったり脈拍数が高くなったりする。それを戻そうとして迷走神経反射が起きる。元に戻そうとした時に必要以上に心拍数を下げたり血圧を下げると、脳に行く血液が減ってしまうために、めまいがしたり意識がなくなったりする」
不整脈が心筋梗塞などを引き起こし、最悪死に至る恐れもあるといいます。
イシハラクリニック 石原新菜副院長
「大人になると辛いものや、すっぱいもの、苦いもの、お酒など色んな刺激物に対して体が慣れてくるが、子どもであることで体が未発達。刺激物に対して体が慣れていない。そういったところも影響したのではないか」
激辛チップスの販売会社は、生徒らが食べた商品による健康被害はこれまでになかったとしたうえで、こうコメントしています。
販売している『磯山商事』
「お客様はじめ関係各位に対し、多大なるご迷惑をおかけいたし、申し訳ございません。現時点で詳細を把握できておりませんが、搬送された方、並びに体調不良を訴えられた方の一日でも早い回復をお祈り申し上げます」