中学生の10人に1人が発症 朝起きたくても起きられない”体の病気” 「起立性調節障害」になったら 《新潟》
起立性調節障害……。
朝起きたくても起きられない”体の病気”です。自律神経の乱れによるもので、中学生の10人1人が発症するとされています。
県内にも症状を訴える児童・生徒がいます。患者は周囲から「さぼり」や「怠け」と誤解されることもあるといます。
病気になった場合どのようなサポートができるのか、医師に聞きました。
週に1人から2人、起立性調節障害の子どもが受診するという新潟市のクリニックを訪ねました。
【おおつかこどもクリニック 大塚岳人院長】
「『起立性調節障害だと思います』と、いってくる人はいないんですよ、なんとなくダルイです、とか」
朝起きられない症状の原因が分からず、受診する児童や生徒もいるといいます。
起立性調節障害は自律神経の乱れによる「体の病気」ですが、「学校を休むことによる将来への影響」「症状が続くことへの不安」「病気への誤解」、こうした心に抱えた悩みが症状の悪化につながるといいます。
【おおつかこどもクリニック 大塚岳人院長】
「本人がそれ(病気)に対して悩みが深くなっていて(体と心)両方が相乗効果みたいになってどんどん悪くなってしまう。体調の悪さがずっと続くんじゃないかという不安を持っていると思います。いつかはよくなるし、そのためにみんなでどうしたらいいか薬を飲むこともそうですし、生活のリズムを整えることもそうですし、そういったことをみんなで考えながら進めて行く」
また、少しでも早く起きられるように適度な運動を促す血圧や脈拍のバランスを取りやすくするため、水分・塩分をとって血液量を増やすことなども家庭でできることだといいます。
【おおつかこどもクリニック 大塚岳人院長】
「起立性調節障害で悩んでいる子たちは、頑張ろうと思っても頑張れないし、つらいという気持ちを周りに分かってほしいと思っているはずです。そういった体の不調を訴えるような子たちは気持ちではどうにもならなくて、そういった体の病気を持っているということを周りがまず理解して大人として何ができるか友人として何ができるかということを考えてもらうといいと思います」
周囲の病気の理解が進まないことが、患者本人を悩ませることもあるため、理解を深めていくことが大切です。