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なぜ「ホクロ毛」は濃くて太い? 専門家「抜く事はおすすめできません」 薄毛・脱毛治療に役立つ可能性も
ホクロから生える「ホクロ毛」。ほかの毛に比べて、濃くて太いことってありませんか? 一方で、「宝毛」「福毛」などと呼ばれる毛は、白く細長い毛です。
同じ体毛なのに、なぜこれほどまでに違うのでしょうか。
今回取材に応じてくれたのは、全国で26院展開する、男性専門の医療脱毛専門院『メンズリゼ』総院長の赤塚正洋医師。いわば毛のスペシャリストです。
なぜ、ホクロから生える毛の多くが濃くて黒いのでしょうか?
メンズリゼ 赤塚正洋 総院長
「色素性母斑のことをホクロと呼んでいて、表皮と真皮の間にメラニン色素を多く産生する母斑細胞があり、色が黒や茶色になります。
ホクロには平坦なもの、隆起したものがありますが、その上に毛が生える場合はメラニン色素を多く含むので、黒々とした太い毛になるといわれています」
いわゆる「ホクロ毛」が濃い理由は、メラニン色素を多く含んでいるからとのこと。ひと際存在感のある、ホクロ毛ですが、抜いても問題ないのでしょうか?
メンズリゼ 赤塚正洋 総院長
「ホクロは「色素性母斑」のことで、メラニン色素をつくる色素細胞が変性した「母斑細胞」が増殖する一種の良性の腫瘍です。小さな色素性母斑は心配ありませんが、大きなものは悪性化することもあります。
ホクロの部分に限らず、毛抜きは毛穴を傷つけ雑菌が侵入すると炎症を起こします。ホクロは刺激を与えると悪性化するという意見もあり、ホクロの毛を抜く事はおすすめできません」
ホクロの毛を処理する場合は、根元近くでハサミを使って切るのが良いとのこと。
また、ホクロから生えている毛は医療用レーザーや美容脱毛の光で脱毛することができませんが、絶縁針による針脱毛はできるということです。
そして、この「ホクロ毛」。将来、薄毛や脱毛などの治療に役立つかもしれないという研究が進んでいるんです。
メンズリゼ 赤塚正洋 総院長
「カリフォルニア大学や岐阜大学などの国際的なグループの研究結果が昨年、科学雑誌『ネイチャー』で発表されました。
この研究者たちは、ホクロに毛が生えやすいことに着目して研究を重ねた結果、ホクロの元となる老化した色素細胞から「オステオポンチン」と呼ばれるたんぱく質が大量に分泌されていることがわかりました。
さらにこのオステオポンチンを通常のマウスの皮膚に注入したところ、注入した部分から毛がしっかり生えてきたという事から、このオステオポンチンが今後薄毛や脱毛症の治療薬の開発につながる可能性が示唆されたということです。
研究が進み、薄毛や脱毛症の新たな治療法が開発されれば、悩んでおられる患者様にとっては大変喜ばしいことだと思います」
かわっては、「福毛」や「宝毛」と呼ばれる白くて細長い毛。
この毛の正体は何なのでしょうか?
メンズリゼ 赤塚正洋 総院長
「福毛とは、俗に本来長い毛が生えないような部分に生える、白くて長い毛のことだそうです。 福毛は生えてきた場所によって意味が様々で、「幸運をもたらすため抜かないほうが良い」など縁起を担ぐ意味合いを持つと言われています。
しかしながら、なぜ福毛と呼ばれる毛が生えるのかは、科学的に解明されていないとされています。
毛が生え変わるサイクル、毛周期の乱れや、ホルモンバランスの乱れ、遺伝が関与しているのでは、とも言われています」
では、福毛の場合、抜いても問題ないのでしょうか?
メンズリゼ 赤塚正洋 総院長
「福毛に限らず、毛抜きの使用は肌によくありません。
埋もれ毛、いわゆる埋没毛になったり、雑菌が入って毛嚢炎になる可能性があります。ハサミで根元から切るかシェーバーで処理するのがおすすめです」
まだまだ解明されていないことが多い「ホクロ毛」や「福毛」。
もしかしたら、私たちの未来に役立つヒントがまだまだ隠されているかもしれません。
| カテゴリー 生活 | 2024年2月19日 16時11分 |