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新型コロナウイルス 1か月で感染者が急激に増えたのはなぜ? インフルエンザの患者も増加…新型コロナのピークは2月か?

新型コロナウイルス 1か月で感染者が急激に増えたのはなぜ? インフルエンザの患者も増加…新型コロナのピークは2月か? 

2023年12月の時点で、それほど多くなかった新型コロナウイルスの感染者が、1月に入り急激に増えてきました。その理由や流行しているウイルスの特徴について、東京医科大病院渡航者医療センター特任教授の濱田篤郎さんに聞きました。(聞き手・利根川昌紀)

1か月で2倍以上に
新型コロナウイルス 1か月で感染者が急激に増えたのはなぜ? インフルエンザの患者も増加…ピークは2月か?
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――新型コロナの感染状況について教えてください。

11月下旬ごろから感染者が増え始めてきましたが、1医療機関あたりの患者数は12月の最終週で5.79人でした。ところが、1月になると感染が広がるスピードが上がり、直近の1月15~21日は、12.23人になっています。

――新型コロナの感染者が増えてきたのはなぜですか。

理由は二つ考えられます。一つは、気温がぐっと下がってきたということです。呼吸器の感染症は、気温が下がると感染が広がる傾向があります。室内に籠もりがちになり、換気もしないということが要因の一つとして考えられます。

もう一つは、ウイルスがヒトに感染しやすく変異していることが挙げられます。12月に日本で多かったのは、XBB系統の「EG.5」というタイプでしたが、1月に入ると、BA2.86系統の「JN.1」が多くなりました。1月25日に東京都が公表したデータによると、調査した検体の55.6%がJN.1でした。

――JN.1は、どのような特徴がありますか。

EG.5とJN.1は、感染したりワクチンを接種したりして獲得した免疫から逃れる傾向にあると言われています。加えてJN.1は、EG.5よりも感染力がやや強いのではないかと考えられています。

――感染すると、重症化しますか。

今のところ、重症者が増えたという報告はありません。高熱が出るインフルエンザの方が、症状が重くなるという印象です。

インフル B型も
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インフルエンザと新型コロナの感染者数(1医療機関あたり)(国立感染症研究所のデータを基に作成)

――そのインフルエンザの感染も心配です。

1医療機関あたりの患者が33.72人だった23年12月の初旬以降、感染者は減っていました。しかし、年が明けると増加に転じ、1月15~21日の週は17.72人でした。「A香港型」として知られるA(H3N2)型に加えて、09年に新型インフルエンザとして流行したA(H1N1)型、B型の感染者も目立つようになったことが影響していると考えられます。

学校の冬休みが終わり、授業が始まりました。そうした状況もあり、今後も感染者は増え続けると予想されます。

こまめに手洗いを
――新型コロナやインフルエンザに感染しないようにするには、どうしたらよいでしょうか。

接触感染を防ぐため、こまめに手洗いをしてほしいと思います。また、ともに 飛ひ沫まつ によって感染が広がります。人混みが激しい、「密」の場所に行く場合は、マスクを着用してほしいです。

気温が低いので難しいかもしれませんが、30分に1回程度、部屋の窓を開けて換気をすると、感染するリスクを下げることにつながります。

また、インフルエンザワクチンを打っていない人は、今からでも接種を検討するとよいと思います。

――感染した場合は、どのように対応すればよいですか。

自宅で様子をみて、症状が重い場合は医療機関を受診するとよいでしょう。「人にうつさない」ことが大切です。高齢者や、糖尿病や高血圧といった基礎疾患がある人はすぐ、主治医に相談してください。

「波」は大きくならない?
――今後も、感染は拡大していくのでしょうか。

今後も、インフルエンザも新型コロナも感染拡大は続くとみていますが、新型コロナに関しては、大きな「波」にはならないのではないかとみています。

欧米では23年12月の時点でJN.1が増えていましたが、重症者が多く出たり医療機関が 逼ひっ迫ぱく したりしているという状況はみられず、そのまま、感染者の数は減ってきています。欧米の状況から考えると、日本でも、医療機関が感染者であふれるような状況にはならず、2月に感染のピークを迎えるのではないかと予想しています。

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はまだ・あつお  1981年、東京慈恵会医科大卒。同大講師などを経て、2010年7月、東京医科大教授。21年4月から現職。著書に「旅と病の三千年史」(文春新書)、「歴史を変えた『旅』と『病』」(講談社+α文庫)、「職場における感染症対策」(産業医学振興財団)、「海外健康生活Q&A」(経団連出版)、「パンデミックを生き抜く」(朝日新書)など。

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