“2回目インフル”患者が急増 洗濯物畳みでウイルスが拡散?足元に高リスク!
今、患者が急増しているのが2回目のインフルエンザ感染です。なかでも医師は見落としがちな床を通じた“床感染”に警鐘を鳴らしています。
■“2回目インフル”患者が急増
都内にあるクリニック。こちらではインフルエンザの患者が9月、10月で去年の180倍になったといいます。そのなかには今シーズンで2回感染した人も…。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:「今年は早い時期にインフルエンザの流行が始まりました。まず9月に1回感染して10月、11月に2回目の感染をしている人も珍しくない」
その原因の一つになっているのは、2種類のインフルエンザA型が同時に流行していることです。去年の冬から蔓延(まんえん)しているA型H3、そして新たにはやり出したA型H1です。
先月からの全国の感染レベルマップを見ると、赤い警報レベルが徐々に広がっています。特にみられる傾向が…。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:「親子3人で調子が悪いということで発熱外来で対応させてもらいましたが、お母さん、お父さん、皆インフルエンザAでした。家族全員インフルエンザということで間違いないです」「一人の感染者が単発で来るよりも一人の感染者にひも付いて家族全員インフルエンザに感染するケースも非常に増えている」
家庭内での感染リスクを高めているもの、それは意外にも“床からの感染”だといいます。
■足元に高リスク!“床から感染”
ウイルスの広がりを実験した映像です。くしゃみやせきにより拡散した飛沫(ひまつ)は最終的に多くが床に着地。次の実験では、床にウイルスに見立てた蛍光塗料が塗ってあり、家庭内に広がる様子が分かります。
床にそのまま座ったり寝転んだりする日本人の生活。何気なく床でくつろいでいる時や、洗濯物を畳んだり、普段の行動がウイルスを含む飛沫を家の中に広げてしまうのです。また、空気が乾燥していると、そのリスクは高まるといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:「空気が乾燥していると床にあるウイルスが再び舞い上がりやすくなるので(インフルエンザに)感染することも家族内においては起こりやすくなる」
逃げ場のない家庭内での感染リスク。この映像を監修した感染制御学が専門の小林教授に対策を聞きました。
東邦大学 感染制御学研究室 小林教授:「床の掃除をきちんとしておくことも感染を予防する大事な手立てだと考えています」
床感染を防ぐ掃除法。アルコール消毒よりもお勧めの方法があるといいます。
■タオルで一日おきの“洗剤拭き”
家庭内で広がるインフルエンザの一因に“床からの感染”リスクも考えられるなか、有効な掃除方法を感染制御学の専門家に聞きました。
東邦大学 感染制御学研究室 小林教授:「アルコール消毒でもいいんですけど、アルコール消毒を床全面にするというのは非常に難しいので界面活性剤を含んだ、いわゆる洗剤ですね、そういうものを実際タオルで床を掃除するとかウイルスを不活化するうえでの有効な手立てと考えてよい」
できれば一日おきに床を掃除するのが感染リスクを減らすのにお勧めだということです。
テレビ朝日