【きのこを生で食べるとどうなる?】生で食べる危険性と食べてしまった場合の対処法|管理栄養士が解説
秋が旬のきのこ。新鮮なきのこは「生で食べられる?」と思うかもしれませんが、実際どうなのでしょうか?どのような危険性があるのか、また万が一食べてしまった場合の対処法について知っておきましょう。また、生で食べてもよいきのこはあるのかどうかについても、管理栄養士が解説します。
■きのこを生で食べるのは危険!怖いリスクとは?
きのこは「生で食べられる?」と思うかもしれませんが、生で食べるのはNGです。きのこを生で食べると、アレルギーや食中毒を起こす危険性や、口の中がイガイガしたように感じるなどの影響があるため、絶対に食べてはいけません。 特にしいたけは、生、または加熱不十分で食べたときに「しいたけ皮膚炎」を引き起こす可能性があります。しいたけ皮膚炎は、摂取後、数時間から数日後に症状が起こり、強いかゆみを生じることが特徴です。加熱することで有毒物質が分解され、体への影響を起こさなくなるため、十分な加熱が大切です。 きのこは加熱すると、うまみが出てきておいしさがさらに増します。おいしく食べるためにも、生ではなくしっかり加熱して食べるようにしましょう。
■生で食べてもよいのはマッシュルーム
きのこの中でも、新鮮なマッシュルームは生で食べられます。生ならではのコリコリとした食感や豊かな風味を感じられ、いつものマッシュルームとは違った味わいを楽しめます。薄くスライスしてサラダのトッピングにする食べ方は、海外では定番です。 ただし、たくさん食べるのは要注意。消化によい食べ物とはいえないため、生のままたくさん食べると、消化不良を起こす恐れもあります。 またマッシュルームは傷みやすいため、生で食べる際は新鮮なものを選ぶようにしましょう。
■きのこを生、または加熱不十分で食べてしまったら?
もし、きのこを生や加熱不十分の状態で食べてしまったときは、体調の変化がないか様子を見るようにしましょう。先ほど伝えたとおり、皮膚炎などの症状やアレルギー症状などを起こす恐れがあります。食べてすぐに症状が出る場合もあれば、数日経って症状が出る場合もあるため、しばらく体調の変化に注意してください。 もし体調に異変を感じた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。その際に、食べたきのこが残っている場合は持参すると治療の参考になります。
きのこはサッと加熱するのではなく、しっかり加熱することで、安全においしく食べられます。秋はきのこを食べる機会が増える季節です。正しい知識を身につけ、健康を守りましょう。
【参考文献】
・農林水産省,「本当に安全?STOP毒きのこ」
・食品安全委員会,「【読み物版】 [生活の中の食品安全 -毒キノコに気を付けよう- その1] 平成28年9月16日配信」
ライター/広田千尋(管理栄養士)