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台風過ぎても 時間差の災害に注意

 【解説】台風過ぎても“時間差”で災害が…「深層崩壊」や「バックウオーター」に注意

台風7号が過ぎ去った後も注意が必要です。大量の雨が降った地域では、山の『深層崩壊』や川の『バックウオーター』、海の『うねり』に注意が必要です。これらは大雨の後も数日間は発生する恐れがあり、過去には大規模な山崩れや河川の氾濫が起きています。

■山から“異音”が聞こえたら“前兆”かも? 雨がやんでも数日間は安心できず
日テレNEWS

小野高弘・日本テレビ解説委員
「台風の過ぎた後にこそ注意が必要なことが3つあります。山では『深層崩壊』、川では『バックウオーター』、海では『うねり』です。2004年の奈良県では、大規模な山崩れが発生しました。山肌の土砂が崩れたどころのレベルではなく、深い位置にある岩盤ごと崩壊しました。それが『深層崩壊』です。この時は2日間で600ミリ近い大雨が降った後に山崩れが起きていました」

有働由美子キャスター
「今回は三重県で、2日間で600ミリ以上、和歌山県内で500ミリ以上ということですから、そのようなことが起きるということを警戒しなくてはいけないということですね」

小野解説委員
「そうなんです。なぜこれが起きるかというと、山の地面の下の深い部分には岩盤があります。大量の雨が降ると岩盤の割れ目などを通って水がたまっていきます。その水がどんどん増えていくと上の岩盤を圧迫します。そうすると、岩盤に圧力がかけられて岩盤ごと崩壊してしまうというわけです」

有働キャスター
「なるほど」

小野解説委員
「市民防災研究所理事の坂口隆夫氏によると、雨がやんでも山から余分な水が抜けるのに72時間かかるといいます。数日間は安心できません。山から『日頃、聞き慣れない音』『地鳴りのような音』などがする場合は前兆かもしれないので、避難してくださいと呼びかけられています」

■川や海も要注意 専門家「雨がやんでも水位が高い状態」
日テレNEWS

有働キャスター
「そして、台風が過ぎた後もということでいうと川もですね」

小野解説委員
「はい。2018年の西日本豪雨では岡山県で川が氾濫しましたが、この時起きていたのが『バックウオーター現象』です。『バックウオーター』とは、大雨で川の本流が増水し、合流しようとした支流の水がせき止められて逆流する現象のことです。逆流によって支流の水位があがり、氾濫することになります。東京大学大学院の松尾一郎客員教授によると、『今、高潮の季節で海面が高い状態になっているので、川の流れが滞りやすい状態だ』といいます。さらに『上流から流れてくる水は、下流に流れ着くのに時間がかかります。そのため、雨がやんでも川の水位が高い状態が続くので近づかないように』と述べていました」


有働キャスター
「そして海ですが、注意なのは『うねり』ですか」

小野解説委員
「『うねり』は、台風周辺で発生した波が遠く離れた場所まで伝わるものです。海岸付近で急に高波になることがあるので怖いです。『うねり』は台風が過ぎて行った後も数日間やってきます。なので、天気が良くなったからといって安心はできず、注意が必要です。海水浴場では遊泳が可能かどうか確認が必要ですし、磯遊びしていると急に高い波がくる恐れがあるので、しばらく避けたほうがよさそうです」

有働キャスター
「台風が去ったら夏休みも後半戦で遊びに行きたいという気持ちもよくわかるんですが、決して油断はしないようにしてください。そして今、雨が降り続いている、たくさん降った地域のみなさんは、今一度『キキクル』で状況を確認してから朝を迎えるようにしてください」(8月15日放送『news zero』より)

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