花火による子どものやけどに注意しましょう-3歳以下の子どもの事故が多く発生、着衣に着火した事例も-
夏の風物詩の一つである花火ですが、子どもが花火で遊んでいる際にやけどを負ったという事故が発生しています。主に一般家庭などで使用されることを目的とした花火は、正式には「がん具煙火」と呼ばれ、「おもちゃ花火」とも呼ばれています(本資料では、これらを「花火」とします。)。
医療機関ネットワークには、花火で遊んでいる際にやけどを負ったという事故情報が2018年度から2022年度までの5年間で、60件寄せられています。事故に遭った被害者の半数以上は1~3歳児であり、年齢による傾向がみられるほか、中には着衣への着火を伴っていた事例もみられました。
そこで、医療機関ネットワークに寄せられた事故情報等を基に、花火による子どものやけどや着衣に着火する危険性に関するテストを行い、子どもに花火で遊ばせる際の注意点をまとめ、消費者に注意喚起することとしました。
医療機関ネットワークに寄せられた事故情報
火花等によるやけどの事例
・公園で花火を実施中、手持ちの花火が着火した瞬間に驚き、花火を振り回して左腕に花火が貼り付いた。
・花火で遊んでいる最中に花火の火を掴(つか)もうとして受傷。
着衣等への着火を伴ったやけどの事例
・保護者が一瞬目を離している隙に左足の靴に火の粉がうつり、燃えていた。
・花火を振り回し、直後に風で火花がスカートに飛んで着火し、燃え上がった。
燃えカスによるやけどの事例
・線香花火の落ちた球を右手の指で触れてやけどした。
・手持ち花火が終わって下に落ちていたものを触って右手を受傷。
テスト結果
危険な状況を想定したテスト
・向かい風で花火を持った場合、肌の露出が多い服装や履物では、火花等によりやけどを負う危険性が高いと考えられました。
・濡れた地面などに線香花火の火球が落ちると、爆(は)ぜて火花等が広がる危険性がありました。
・スカートの裾に燃えカスが乗ると、着火する可能性がありました。
燃えカスの温度測定
・温度が低いように見える燃えカスであっても、落下や消火後しばらくはやけどを負うほどの高温であるため、注意が必要と考えられました。
表示の調査
・3歳以下の子どもには持たせないなど、対象年齢に関する記載のほか、風が強い日には使用しない旨の記載が共通してみられました。
消費者へのアドバイス
・花火による3歳以下の子どもの事故が多く発生しています。取扱説明書に従い、3歳以下の子どもに花火を持たせることは避け、距離を置いて見せるなどして花火を楽しみましょう。
・肌の露出が多い服装や履物、裾の広がった服装で花火をさせる際には注意が必要です。また、花火の風下には立たせないようにし、風が強い場合は花火で遊ばせないようにしましょう。
・花火で遊ばせる前には、消火用の水を用意するなどの準備をしましょう。また、着衣に着火した場合の対処法を覚えておきましょう。
・花火が消えたらすぐに水につけましょう。温度が低いように見える燃えカスでも高温の可能性があります。
業界への要望
花火によるやけど事故の防止のため、引き続き消費者への注意喚起、啓発を行うよう要望します。
行政への要望
・花火によるやけど事故の防止のため、引き続き消費者への注意喚起、啓発を行うよう要望します。
要望先
・消費者庁(法人番号5000012010024)
・こども家庭庁(法人番号7000012010039)
・公益社団法人日本煙火協会(法人番号1010005018102)
情報提供先
・内閣府 消費者委員会(法人番号2000012010019)
・経済産業省(法人番号4000012090001)
・公益社団法人日本小児科学会(法人番号5010005018346)
・公益社団法人日本皮膚科学会(法人番号4010005004396)
・特定非営利活動法人Safe Kids Japan(法人番号5010905002878)
・公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
・一般社団法人日本DIY・ホームセンター協会(法人番号8010005004343)
・日本チェーンストア協会(法人番号なし)
・オンラインマーケットプレイス協議会(法人番号なし)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165