20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意
副業や投資に関する情報商材のトラブルに関する相談が依然として寄せられています。特に20歳代の若者の場合、支払いのために借金をさせられるケースが多くみられますが、最近の相談事例をみると、副業や投資に関する情報商材を購入後、高額なサポート契約を勧誘され、「お金がない」と断った消費者に対して遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる手口が目立っています。
そこで、消費者トラブル防止のために相談事例を紹介し、消費者への注意喚起を行います。
遠隔操作アプリとは
自分のスマートフォンやパソコンに遠隔地の第三者が接続して、両者が画面を共有しながら遠隔操作を行うアプリのことを指します。例として、パソコンメーカーや通信事業者がユーザーサポートを行う場面などで利用されます。遠隔操作される端末によっては、遠隔操作はできず、画面共有のみにとどまる場合があります。本トラブルでは、消費者の端末が事業者に画面共有された状態で事業者から指示され借金をさせられるケースが多くみられます。
相談事例
副業の高額サポート契約を勧誘され、お金がないと断ると、遠隔操作アプリを通して借金の仕方を指南された
動画投稿サイトで広告を見て、副業サイトにアクセスし、無料通話アプリで友達登録した。「情報商材の購入が必要」というので、約2,000円の情報商材を購入すると、後日、事業者から電話があり「詳細を説明するので予約をするように」と案内された。約束した日に事業者から電話で「アフィリエイトや動画配信サービスの仲介ビジネスでもうかる方法を教える。手っ取り早くもうかる約200万円のサポートプランがあなたに合っている」と勧められた。「お金がない」と断ると、「貸金業者で借金する方法を教えるのでスマートフォンに遠隔操作アプリを入れるように」と案内され指示に従った。電話で事業者から言われるままスマートフォンの操作を行い、勤務先について嘘の申告をするように指示され、2社の貸金業者から50万円ずつ合計100万円を借金し、指定された個人名義の口座に振り込んだ。「残金は別の貸金業者で借金するように」と言われたが、借金の返済が苦しいので返金してほしい。
その他、以下のような相談も寄せられています
・遠隔操作アプリで画面共有をしながらFXの自動売買ツールのプランの勧誘を受け、そのまま借金の申請も誘導された。
・副業のサポートプランを勧誘され、遠隔操作アプリを用いて複数の貸金業者に借金するよう指示された。
消費者へのアドバイス
「簡単に稼げる」「もうかる」ことを強調する広告をうのみにしないようにしましょう
「借金」してまで契約しないようにしましょう
相談事例を見ると、「稼ぐためのサポートをする」などと言われて、広告にはなかった高額なサポート契約を勧誘されるケースが目立ちます。その際に、「簡単に稼げる」「もうかる」「借金してもすぐに元が取れる」などと言われることがありますが、簡単に稼げるようなうまい話はありません。また、借金をすぐ返せる保証は一切ないほか、事業者に解約や返金を求めても突然連絡が取れなくなり、トラブルの解決が困難になる恐れもあります。勧誘トークをうのみにせず、冷静によく考えましょう。
遠隔操作アプリは安易にインストールしないようにしましょう
事業者から「副業や投資の説明のために必要」「借金する方法を教える」などと言われ、遠隔操作アプリをインストールするよう指示されますが、遠隔操作によって自分が望まない操作をされる恐れがありますので、遠隔操作アプリを安易にインストールするのは避けましょう。
遠隔操作等で貸金業者サイトに登録してしまったら、IDやパスワードを変更するなど悪用されないための対策をとりましょう
遠隔操作アプリを利用した状態で貸金業者サイトに登録した場合、IDやパスワードが事業者にも知られてしまっている恐れがありますので、すぐにパスワードを変更しましょう。また、事業者によってIDやパスワードを勝手に変更されてしまう恐れもありますので、その場合は、事業者ではなく、すぐに登録した貸金業者に連絡を取り事情を伝え、悪用されないようにしましょう。
なお、知られてしまった個人情報を悪用される恐れもありますので、信用情報機関の本人申告制度の利用も検討しましょう。また、自分宛てに身に覚えのない請求が来ていないか、適宜確認するようにしましょう。
不安に思った場合やトラブルに遭った場合は、消費生活センター等に相談しましょう
不安に思った場合やトラブルに遭った場合には、一人で悩まず、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。
*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です