増加する中古自動車の売却トラブル-強引な勧誘やキャンセル妨害も-
全国の消費生活センター等に寄せられる中古自動車(以下、「中古車」という)の売却に関する2021年度の相談件数は前年度の1.25倍となっており、2022年度も増加傾向にあります。
PIO-NET(注)をみると、「査定時に強引に契約させられ、車を持っていかれた」「契約後すぐにキャンセルを申し出たら、高額なキャンセル料を提示された」など、強引な勧誘やキャンセル時のトラブル等に関する相談が寄せられています。
そこで、中古車の売却について多く寄せられる相談事例を紹介し、トラブルの未然防止のため消費者への注意喚起等を行います。
年度別相談件数:2018年度は1,151件、2019年度は1,229件、2020年度は1,211件、2021年度は1,519件、2022年度は2023年1月31日までで1,157件です。
(注)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は2023年1月31日までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれない。
相談事例
強引な勧誘・契約
【事例1】
査定時に強引に契約させられ、車を持っていかれた。
【事例2】
事業者が居座り帰らない様子だったので、やむなく契約してしまった。
【事例3】
勝手に契約したことにされていて、断ったらキャンセル料を請求された。
高額なキャンセル料の請求
【事例4】
契約後すぐにキャンセルを申し出たら、高額なキャンセル料を提示された。
【事例5】
高額なキャンセル料の算出明細が示されない。
契約後の査定額の減額
【事例6】
修復歴を告げ、2回も査定して決まった売却額が、突然減額された。
【事例7】
引き渡した10日後に、事業者から一方的に契約を解除すると言われた。
増加の背景等
新車販売台数の減少と中古車買い取りの強化。
契約当事者の高年齢化。
問題点
十分な情報を持たない消費者に対して、その場で強引に契約を迫る。
高額なキャンセル料の設定やキャンセル妨害。
契約後に査定額を減額する。
事業者が訪問した場合でも、車の売却は特定商取引法の規制対象外である。
アドバイス
査定の場では契約せず、一度冷静に考えましょう。
キャンセル条項など、事前に契約書をしっかり確認しましょう。
査定サイトに書き込んだ情報で、複数社から勧誘されることがあります。
修復歴や事故歴を事前に適切に告げていた場合、契約後の修復歴等を理由とした契約の解除や減額には応じる必要はありません。
相談窓口
トラブルになったときは、消費生活センター等や業界団体の相談窓口に相談しましょう。
消費生活相談窓口
*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
JPUC車売却消費者相談室
車買取の事業者団体である一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)には、車の売却に関する専門の消費者相談窓口が設置されており、不安に思った場合やトラブルになった場合に相談することができます(無料)。
電話番号
0120-93-4595
受付時間
平日9:00-17:00