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浄水カートリッジ 偽物に注意

 ニセ「浄水カートリッジ」がネット販売で流通…飲んでも気づかない?消費者庁が“7つの特徴”注意喚起

浄水器を使っている家庭も多いと思うが、その交換用「浄水カートリッジ」の偽物がネットで販売されているという。

消費者庁が2月1日、「浄水カートリッジ」の偽物(模倣品)がアマゾンやヤフーショッピング、楽天市場、フリマサイトで出回っているとして注意を呼びかけたのだ。

これらの模倣品の浄水カートリッジは、2020年9月以降からネット通販などで流通するようになったという。

同庁は文書で、模倣品を販売した7つの店舗の名前を公開。さらに、今回の問題に対して、一般社団法人浄水器協会や、株式会社KVK、東レ株式会社、TOTO株式会社、三菱ケミカル・クリンスイ株式会社、株式会社LIXILが対応に取り組んでいると紹介している。

模倣品発覚の経緯は、消費者がネットショッピングで浄水カートリッジを正規品だと思って購入したところ、パッケージにカタカナの大文字と小文字が混在しているなどの不審点があったことから、消費生活センターに相談したことがきっかけになったそうだ。

“模倣品”浄水カートリッジの特徴は?
同庁では、通販サイトで販売されていた模倣品のLIXIL浄水カートリッジを調査し、次のような7つの特徴を確認している。

・販売ページに不自然な表示がある
販売ページに表示されている「ブランド名」が正しくないなど。

・正規品に比べ販売価格が相当程度安い
メーカー希望小売価格から大幅な値引きがされている。

・パッケージの箱等の印字に誤字等がある
誤字や同じ文字列に異なったフォントが使用されていることがある。

・パッケージの箱等に記載されているロット番号が印刷されている
正規品のロット番号は凹凸感のある刻印だが、模倣品は印刷。

・商品の発送に不自然な点がある
正規品は日本国内で製造販売されているが、模倣品は海外から発送されてくる場合がある。また模倣品はパッケージの箱から出された状態で発送されてくることがある。

・内部の材質(芯材)がセラミックではない

・水栓に入らない、入りにくい

気をつけてほしいのは、これはあくまで今回調査した模倣品のLIXIL浄水カートリッジの特徴だということだ。これは昨年12月に確認されたもので、同庁は、新たな手口で販売が行われる可能性があるため注意が必要だとしている。

模倣品の浄水カートリッジで「青い水」が出たケースも
なお、現時点では、模倣品の浄水カートリッジを使用したことによる具体的な健康被害等は確認されていないとのことだ。ただし「浄水器から出る水の味に違和感を覚えた」「青い色の水が出てきた」などの事例はあるという。同庁では、模倣品は安全性が確認されていない原材料が使用されており、今後どのような問題が生じるか不明なため注意してほしいとしている。

消費者庁から4つのアドバイス
こんな模倣品を掴まされないため、どうしたらいいのか? 同庁では「皆様へのアドバイス」として次のような4つのポイントを挙げ、注意を促している。

・DPF(大手ネット通販)を利用した取引では、事業者選びに慎重になりましょう。
「有名な通販サイトに出店しているから信用できる」、「自分は大丈夫」といったような考えを持たず、メーカーのウェブサイトで模倣品が流通していないかや、事業者の情報等を入念に確認するなどしてから購入する。

・販売価格が安価なものは特に注意してください。 
価格が安価な場合は、販売ページの商品説明などに誤字や不自然な点がないか、商品の発送元、事業者の評価点、商品レビュー等を確認するなどして、少しでも不審な点がある場合は購入しない。

・パッケージの箱に誤記がある場合や配送方法に違和感を覚えた場合には、使用する前にすぐにメーカー等に確認し、使用後に違和感を覚えた場合は、すぐに使用を中止しましょう。
商品が届いたら、商品の発送元、浄水カートリッジの梱包方法、パッケージの箱の印字等に不審な点がないかを最初に確認し、少しでも違和感を覚えた場合は、使用する前にメーカー等に確認する。

・事業者とトラブルになった場合は消費生活センター等に相談しましょう。 
消費生活センター等では、消費者が事業者との取引などにおいてトラブルとなった場合に相談を受け付け、トラブル解決のための助言や必要に応じてあっせんを無料で行っている。

「相談窓口」
消費者ホットライン(最寄りの消費生活センター等を案内)電話番号 188
警察相談専用電話 #9110

消費者庁の注意喚起には、LIXILなど数社の名前が出ているがそれ以外のメーカーなら安心していいのか?浄水カートリッジが模倣品だと分かったら返金や交換はできるのか? 消費者庁の担当者に聞いてみた。


――模倣品の浄水カートリッジは公表したメーカー以外のものもある?

その通りでございます。公表したのは掲載して良いという会社のみで、確認が取れなかったところは載せていません。


――模倣品の販売業者も、もっとたくさんいるということ?

そうですね。実は公表した7社の中5社はもう削除されています(※2月2日時点)。ネットショッピングの例で、この手の事業者はアカウントが凍結されるとすぐ別の名前にするので、そうしたことの繰り返しにもなっているのではないかと思います。


――今回の問題についての具体的なデータはある?

公表した7社で1000個余りの商品を販売したことを確認しています。売上は合計470万円余りですが、全てが模倣品かどうかは分かりません。一方、全国の消費者センターに寄せられたこのトラブルの相談件数は、2020年9月から23年1月まで71件です。ということは、ほとんどの人は気づいてないか、もしくはなにか変だなと思いつつ、使っている状態ではないかと考えております。

――家の浄水カートリッジが本物かどうか分からない人は、調べた方がいい?

自分がもし格安で買った、あるいは心配な方はご確認したほうがよろしいかと思います。


――模倣品だとわかったら、被害がなくても取り外した方がいい?

それはご本人次第なんですが、少なくとも中の材質は安全が確認されたものではないので「違和感を覚えた場合は、すぐに使用中止しましょう」というのが消費者の皆様にできるアドバイスでございます。


――水の味がちょっと変だとか気がつくことはある?

そういう相談もあります。ただし先ほど数申し上げたとおり、1000個販売したのに対し、消費者の相談は極めて少ないんです。ほとんどの方が気が付いてないのではないかと思います。元々日本の水道は普通に飲めるので、悪いものは検出されないのかもしれません。ただ今回は虚偽の広告表示が分かった時点で、スピードを重視して注意喚起させていただきました。

模倣品の返品・交換できる可能性は?
――模倣品だと分かったら返品・交換はできる?

今回名前を挙げた店は2店舗除いて削除されています。そういうこともあり返品や返金は難しいのではないかと思います。それがこういう模倣品を扱うお店の怖さというところになります。


――通販サイトに相談しても難しい?

基本的には「購入者と販売者が話をしてください」ということになります。もしかしたら、そのような通販サイトが販売者になり替わって返品してくれることもないわけではないと思うのですが、基本的には「場」を提供しているだけなので、そういう事はやらないのではないでしょうか。


――消費者センターに相談をすると、どんなことをしてもらえるの?

取り引きでトラブルになった場合には相談を受け付けて、例えば間に入ったり、助言をしたりします。ただ「連絡先が分からない事業者を見つけて」というようなことは、ちょっと無理かと思います。


――ちなみに、最初に模倣品のパッケージのカタカナがおかしいと相談した人は、どんな文字が変だと気づいたの?

このカタカナの文字というのは「パッケージ」です。本来は「パッケージ」というところが「パツケージ」と書いてあったそうです。「ツ」が大きかったんです。

模倣品が出回り始めたのが2020年9月からとのことなので、気が付かないうちに使い終え、既に返品できる期間を過ぎてしまったというケースもありそうだ。もし使っている浄水カートリッジに少しでも心配があるようならば、まずは本物かどうかを確認してほしい。

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