3回目接種 一般の人も間隔7カ月に 職域の開始時期も前倒し
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の急拡大を受け、松野博一官房長官は12日、企業や大学で実施するワクチンの職域接種の開始時期を前倒しする意向を示した。政府は原則8カ月以上としていた2回目と3回目の接種間隔について3月以降、一般の人も7カ月に短縮する方針で、その動きに合わせた形だ。
岸田文雄首相が11日に発表した対応強化策の中で、3回目接種を「3月以降、一般分についても前倒しする」方針を示していた。一般の人は4月以降に3回目接種が本格的に始まる予定だったが、新たに購入することで合意した米モデルナ製ワクチン1800万人分を活用し、1カ月前倒しする。政府は既に医療従事者や重症化リスクが高い高齢者ら約3100万人について最大で2カ月短縮するとしていた。
また、厚生労働省は12日、オミクロン株による感染の急拡大に備え実施した都道府県の医療提供体制の点検結果を公表した。血液中の酸素飽和度を測る機器「パルスオキシメーター」を遅くとも自宅療養開始の翌日までに配布する体制や、全ての感染者に遅くとも検査で陽性と判明した翌日に連絡をとり、その後も継続して健康観察や診療を受けられる体制などが全ての都道府県で構築されていることを確認した。昨年12月から始まった確保病床の使用率の「見える化」について、現在の月1回の更新を改め、月2回に増やすことを決めた。
オミクロン株の急拡大によって濃厚接触者となった医療従事者の欠勤が相次いでいることを受け、厚労省はワクチン接種済みであることや毎日検査することを条件に、医療従事者は14日間の健康観察を待たずに職場に復帰することができると改めて通知した。【金秀蓮、神足俊輔】