架空請求「封書型」急増=はがきから手口変更
訴訟の取り下げ名目で現金を要求する架空請求詐欺をめぐり、文書を封書で送り付ける手口が愛知県内などで増えている。これまで主流だったはがきを用いた手口は大幅に減り、県警生活安全総務課は「封書が届いても電話しないで」と注意を呼び掛けている。
同課によると、「封書型」の相談件数は1〜5月、5〜39件で推移していたが、6月と7月はそれぞれ300件超に急増した。一方で、「はがき型」は昨年の1カ月平均と比べ、今年は75%減とめっきり少なくなった。
捜査2課によると、詐欺の封書が届いた名古屋市の50代男性が1月末〜2月、埼玉県と東京都の集合住宅宛てに現金を宅配便で送り、計約730万円をだまし取られる事件が発生。7月までにこうした封書型による被害が2件確認されたという。
封書型の主な手口では、黄色や白色のB5サイズの書面が1枚入っており、「最終取り下げ期日」「督促番号あ 139」「連絡がなければ給料や不動産を差し押さえる」などの文言や、問い合わせ先の電話番号が記載されている。
末尾に「はがきによる催促は詐欺です。法務局から通達がはがきで届くことはございません」などと注意書きがあるのも特徴だ。生活安全総務課は、はがき型が警戒されるようになったため、信ぴょう性を高める文言を記載した封書型に手口を変えてきたのでは、とみている。
同課の担当者は「慌てて電話をしないでほしい。家族や警察に相談したり、電話番号をインターネットで調べたりして対策してもらいたい」と話している。