新型コロナ、最も感染力が強いのは発症時か WHOが指摘
[ジュネーブ 9日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の専門家は9日、新型コロナウイルス感染症の初期症状が現れる時期にウイルスの感染力が最も強いことが、ドイツと米国による研究の暫定結果で示されたと述べた。
専門家はこれが感染拡大の抑制を困難にしている一因と指摘。同時に、検査の徹底やソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)実施によって抑制は可能とした。
WHOの伝染病学者マリア・ファン・ケルクホフ氏は「非常に限られた情報に基づくと、症状の出始めもしくはその前後、つまり非常に初期の段階に患者に多くのウイルスが潜んでいるようだ」と述べた。
WHOで緊急事態対応を担当するマイク・ライアン氏は、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)のウイルスと異なり、新型コロナウイルスは上気道に付着するため、飛沫感染しやすいと指摘。「感染性病原体が上気道に存在することで、具合が悪くなり始めた段階に体内に潜むウイルス量がピークに達する可能性がある」と述べた。
ケルクホフ氏はさらに、症状が軽い感染者からは最長8─9日間にわたり感染しやすく、「重度の感染者ではより長い期間になる可能性がある」とした。
また、無症状の感染者からうるるケースは「極めてまれ」という見解を前日に示したことについては、「伝染の40%が無症状感染者による可能性があると試算されているが、これは数理モデルによるものだ」と説明。その上で、無症状者からうつる可能性はあると述べた。