[ カテゴリー:災害 ]

不明者名簿を見つめる人々 壊滅状態となった岩手・陸前高田市

東日本大震災で死者・行方不明者が5千人を超える中、被災地では難を逃れた人々が災害対策本部や避難所を回り、父母やわが子らを探すため膨大な名簿に目をこらす姿が絶えない。

【写真】津波で家屋が流され、基礎部分だけが残る陸前高田市の市街

8千世帯のうち5千世帯が被災した岩手県陸前高田市。廃虚となった市街地を見下ろす高台の市給食センターに設けられた災害対策本部の玄関に、安否不明者の手書きの名簿がびっしりと張られていた。A4用紙100枚ほどに約1400人分。

市内の高校2年、松野美樹さん(17)は呉服店に勤める父、信一さん(54)を探していた。中心部の店で勤務中、大津波が来た。女性従業員を先に避難させ、最後に逃げた後、「誰か戻ってきて」という声に飛び出して行った2人のうちの1人だったという。

美樹さんは叔母の千葉美津子さん(47)と2人で8カ所の避難所を回り、避難所にいる生存者名簿で父の名を探した。どうしても見つからず、災害対策本部を訪れ不明者名簿に名前を書いた。千葉さんは「すごい数の名簿をずっと見ていると、次第にだれの名前を見ているのか分からなくなる」とため息をついた。美樹さんは「早く見つかってほしい」と話した。

元会社員の臼井敬市さん(77)は娘婿の建設会社員、求さん(42)と孫の高校2年、優君(17)を探すため、15キロ離れた半島部の自宅から自転車で4時間かけて来た。名簿を食い入るように見つめ、市職員に「孫は水泳部で泳いでいたところだった。水泳部の子供が2人助かっているそうですが」と尋ねた。職員からヘリで救助されたのは女子生徒だったことを知らされ、肩を落とした。

名簿のところどころに「○」や「×」と赤く印がつけられていた。生存が判明した被災者は○印で、1400人の名前のうち150人ほど。「みんな無事でした」「生存、消防団で活動中」などと書き添えられていた。×の印は16ほど記入されていた。

「男 ドコモ携帯、阪神タイガースのストラップ」

「女 写真ロケット、革ブーツ」

別の死亡確認者の名簿には、身元が分からずに手がかりだけが書かれた遺体も多い。

同級生らを捜しに来た高校3年、立花綱紀君(18)は「『助かった』とか『厳しい』とかいろいろな噂があり、どれを信じていいか分からない。とにかく無事でいてほしい」と話した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110315-00000545-san-soci

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