夏休み明け 子供の異変に目をこらそう
夏休みが終わり、新学期の授業が始まる時期が来た。子供の様子に変化がないか。周囲の大人が目をこらしたい。政府の自殺対策白書によると、過去10年では、8、9月に小中高生の自殺が多い。昨年の未成年者の自殺者は599人で、他の世代が 概 おおむね減少する中、前年比で6%ほど増えていた。
友達とうまくいかない。授業についていけない。集団生活が苦手だ――。そんな理由から、新学期で学校生活に戻ることに、不安を感じる子供もいるだろう。最悪の選択をさせないためには、悩みを受けとめることが欠かせない。
「だれにでもこころが苦しいときがある」「どんなに苦しくても、必ず終わりがある」。北九州市が作成した、子供向けの自殺予防ちらしのメッセージだ。浮かない顔の子供に、教員がこんな言葉をかけ、心をほぐしてほしい。
どうしても登校したくないと思う子にとっては、無理をせずに学校を休むのも一つの選択肢だ。
今月開設されたウェブサイトには、全国150か所以上の子供の居場所が紹介されている。9月中旬までは、フリースクールや食堂、外遊びを楽しめるプレーパークが無料や割安で利用出来る。関連施設が協力する初の試みという。
悩みを共有する仲間に出会えば、気持ちも楽になろう。子供たちが各施設で過ごす時間を通じて、元気を取り戻せるといい。
この5年間で、不登校の小中学生は急増した。背景の一つには、教育機会確保法が成立し、フリースクールなど、学校以外の学びの場が認知されたことがある。
https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/20190820-567-OYT1T50329.html