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錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査-形状から、医薬品だと思っていませんか?-

食品安全委員会から発出された「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」によると、錠剤・カプセル状の健康食品は、外見上医薬品と誤認されることが多いものの、医薬品並みの品質管理がなされているものではないとされています。また、成分が一定量に調整されていない商品や、消化管の中で確実に溶けて、吸収されるように作られていないと思われる商品があるともいわれています。

現在、錠剤・カプセル状の健康食品については、製造者等に向けた自主点検ガイドラインなど(注2)が出され、安全性や有効性を確保するための自主的な取り組みが求められているところですが、過去に品質や安全性等に問題がある商品が流通した事例もあり(注3)、今後も発生する可能性があることが指摘されています(注4)。

そこで、全国の消費者を対象として、錠剤・カプセル状の健康食品(注5)の利用実態等に関するアンケート調査を実施するとともに、市販されている商品(100銘柄)や、消費者から収集した利用途中の商品(105商品)について品質等を調べた結果を取りまとめ、利用するにあたっての留意点等を情報提供することとしました。

なお、利用途中の商品の収集に関しては、「消費者行政新未来創造オフィス」における先駆的な商品テストの一環として、徳島県を実証フィールドとしました。

消費者へのアンケート調査
「過去1年以内に錠剤またはカプセル状の健康食品を摂取している人」を対象に、インターネットによるアンケートを実施しました。(有効回答数:10,168)

直近1年以内で飲んでいる(飲んでいた)錠剤・カプセル状の健康食品は、足りていない栄養素の補給をうたう商品と回答した人が約66%いました。
最も利用頻度の高い(高かった)錠剤・カプセル状の健康食品は、栄養補給のために飲んでいると回答した人が約25%いました。一方、病気の治療・緩和のために飲んでいると回答した人が約20%いました。
回答した約8%の人は、医薬品等と健康食品との区別があいまいであると考えられました。
特定保健用食品や栄養機能食品、機能性表示食品などの健康食品の制度については、いずれも80%以上が知っていると回答しましたが、GMP(適正製造規範:Good Manufacturing Practice)を知っていると回答した人は約27%でした。
錠剤・カプセル状の健康食品に対して、厳格に製造され、品質が安定していると回答した人が74%いました。
開封時や利用中に何らかの品質の異常があったと回答した人がそれぞれ約9%いました。
市販されている商品に関するテスト
 市販されている商品をテスト対象として、崩壊せず体内で吸収されない可能性があるか、表示されている機能性成分(注6)が表示どおり入っているか、微生物や重金属に汚染されていないか等、品質について調べました。

消費者へのアンケート調査の回答結果を参考に、多くの消費者が摂取すると考えられた機能性成分を10カテゴリー(「マルチビタミン」、「GABA」、「黒酢、香醋(こうず)」、「コエンザイムQ10」、「酵素」、「HMB」、「ルテイン」、「乳酸菌類」、「グルコサミン」、「DHA、EPA」)選定し、神奈川県内、東京都内及び徳島県内のドラッグストアの店頭やインターネット通信販売の大手ショッピングモール(Amazon.co.jp、楽天市場、Yahoo!ショッピング)、検索サイトGoogleにて市場調査を行い、各カテゴリーにつき10銘柄ずつ、合計100銘柄を選定しテスト対象としました。100銘柄中には、栄養機能食品が21銘柄、機能性表示食品が11銘柄含まれています。
崩壊性を調べた結果、100銘柄中42銘柄が、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しませんでした。
機能性成分の量を調べた50銘柄のうち、2銘柄は含有量と表示量が大きくかい離していると考えられました。機能性表示食品について、表示量を下回るような銘柄はみられませんでした。また、調べたビタミンのいずれかの栄養機能食品をうたう銘柄において、そのビタミンの含有量は定められた範囲内であり、表示量からの誤差も許容されている範囲内となっていました。
一日の最大摂取目安量中の機能性成分の量は、銘柄により様々であることがわかりました。特に、GABAやルテインのカテゴリーで銘柄間の差が大きく、最も多い銘柄と最も少ない銘柄の量はGABAでは約15倍、ルテインでは約27倍差があり、機能性表示食品の間でも差があることがわかりました。
(注6)本調査では、文献等で機能性を持つといわれているような成分を、機能性表示食品の機能性関与成分や栄養機能食品の栄養成分も含めて、機能性成分とします。
利用途中の健康食品に関するテスト
 消費者の利用状況等が錠剤・カプセル状の健康食品の品質に影響を及ぼすかを調べるために、徳島県内で利用途中の健康食品を収集し、同時に、対面でその健康食品の利用実態に関するアンケート調査及び聞き取り調査を実施しました。容器を移し替えておらず、かみ砕いて摂取する錠剤ではない合計105商品をテスト対象としました。

ハードカプセルの内容物が硬化しているものがみられました。
医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったものが半数あり、未開封品よりやや高い割合でした。
収集した利用途中の健康食品の多くでは、未開封品と比べると機能性成分の量がわずかに少ない傾向がみられました。
表示・広告の調査
 市販されている商品100銘柄について、商品パッケージ及び販売者等のウェブサイトに記載されている表示・広告を調査しました。

商品パッケージに、GMPマークやGMP認定工場で製造されている旨の記載が100銘柄中3銘柄でみられました。販売者等のウェブサイトに、GMPマークやGMP認定工場で製造された旨の記載があった銘柄は98銘柄中60銘柄でした。
商品パッケージには100銘柄すべてで、原材料や栄養成分、アレルギーに関する表示が、食品表示法等に従って記載されていました。
販売者等のウェブサイトにおいて、約3割の銘柄で、商品パッケージの原材料表示や栄養成分表示等と記載内容が異なっていました。
機能性表示食品11銘柄中10銘柄の商品パッケージには、摂取方法や一日の摂取目安量に関する記載がみられましたが、機能性の評価方法や摂取期間に関する記載はみられませんでした。
販売者等のウェブサイトにおいて、一部の銘柄で、消費者に誤解を与える可能性があると考えられるような表示・広告がみられました。
消費者へのアドバイス
消費者へのアンケート調査の結果、錠剤・カプセル状の健康食品と医薬品等との区別があいまいであると考えられる人が約8%、病気等の治療・緩和のために飲んでいるという人が約20%いました。利用する際は、表示等をよく確認し、病気の治療や症状の改善等の目的で使用することは避けましょう。また、医薬品を使用している人は、医師や薬剤師等に相談するようにしましょう。
機能性成分の量を調べた結果、機能性表示食品や栄養機能食品では、表示量に対し、ほぼ基準の範囲内で含まれていましたが、一日の最大摂取目安量当たりの、機能性成分の表示量は銘柄により様々でした。利用する際は、商品パッケージの表示量を目安に自分が摂取する当該成分の量を認識し、正確な情報を参考にして選択することが必要でしょう。
消費者へのアンケート調査では、7割以上が錠剤・カプセル状の健康食品に対し、厳格に製造され、品質が安定しているというイメージを持っていましたが、約4割の銘柄で医薬品に定められた規定時間内に崩壊しませんでした。必ずしも医薬品と同様の品質が保たれているとは限らないため、医薬品との品質や制度の違いを正しく理解して利用しましょう。
業界・事業者への要望
消費者へのアンケート調査では、7割以上が錠剤・カプセル状の健康食品に対し、厳格に製造され、品質が安定しているというイメージを持っていることがわかりましたが、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しない銘柄や、機能性成分の表示量と含有量に大きなかい離がある銘柄がみられました。一定以上の品質の商品が製造されるような共通の規格・基準を作成するなど、品質向上に向けた取り組みの検討を要望します。
市販されている商品のうち、機能性成分の量を調査した50銘柄中2銘柄で、機能性成分の表示量と含有量に大きなかい離がみられました。かい離が大きくならないよう製造管理することを要望します。
アンケート調査の結果、どの商品が自分に合っているのか、必要なのかがよくわからないと回答した人が約57%いました。また、一日の最大摂取目安量当たりの、機能性成分の表示量は銘柄により大きな差がみられました。消費者からの商品の選択や摂取方法等に関する問い合わせに対しては、根拠等をわかりやすく示し、正確な情報を提供するよう要望します。
販売者等のウェブサイトの一部には、消費者に誤解を与える可能性があると考えられるような表示・広告がみられましたので、改善を要望します。また、原材料表示や栄養成分表示等について、ウェブサイトにも適切に反映されるよう要望します。
行政への要望
消費者へのアンケート調査では、7割以上が錠剤・カプセル状の健康食品に対し、厳格に製造され、品質が安定しているというイメージを持っていましたが、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しない銘柄がみられました。一定以上の品質の商品が製造され、その品質が維持されるための取り組みの推進を要望します。
アンケート調査の結果、どの商品が自分に合っているのか、必要なのかがよくわからないと回答した人が約57%いました。また、一日の最大摂取目安量当たりの、機能性成分の表示量は銘柄により大きな差がみられました。機能性表示食品については、届出情報等を活用し、正確な情報を基に消費者が自ら選択し、適切に利用できるよう、より一層消費者へ情報を周知することを要望します。
販売者等のウェブサイトの一部には、消費者に誤解を与える可能性があると考えられるような表示・広告がみられましたので、調査の上、必要に応じて事業者への指導等を要望します。
要望先
消費者庁 食品表示企画課(法人番号5000012010024)
消費者庁 インターネット上の広告表示関係部署(法人番号5000012010024)
厚生労働省 医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課(法人番号6000012070001)
厚生労働省 医薬・生活衛生局 食品基準審査課 新開発食品保健対策室(法人番号6000012070001)
公益財団法人日本健康・栄養食品協会(法人番号6011105004953)
一般社団法人日本健康食品規格協会(法人番号9010005014903)
一般社団法人健康食品産業協議会(法人番号1011105007192)
情報提供先
消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
内閣府 食品安全委員会(法人番号2000012010019)
公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
公益社団法人日本薬剤師会(法人番号3011105005376)
日本チェーンドラッグストア協会(法人番号なし)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190801_1.html

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