妊娠中の女性が診療を受ける際の「妊婦加算」制度について、厚生労働省の有識者会議は6日、制度を見直し、凍結中の妊婦加算を実質的に再開すべきだとする提言をまとめた。来年度に新しい制度ができる見通し。妊婦の自己負担を軽くする方向で検討する。
妊婦加算は、母体と胎児への影響を考慮した診療を手厚くするための制度として、2018年度に導入された。自己負担3割の場合で、妊婦の支払額が初診で約230円、再診で約110円増えることから批判が高まり、今年1月に加算が凍結された。
有識者会議の提言は、妊婦の診療について「通常よりも慎重な対応や胎児への配慮が必要」とし、妊婦の診療を評価する仕組みの意義を認めた。妊婦の診療に一律に加算する現行制度と同じ形での再開は適当でないとしながらも、質の高い妊婦の診療を促す制度は必要だと結論づけた。提言を受け、中央社会保険医療協議会(中医協)は今後、新しい妊婦加算制度の詳細を議論する。厚労省は妊婦の自己負担のあり方などを検討する。