[ カテゴリー:振り込め詐欺, 生活 ]

特殊詐欺 はがき送りつけ急増

【特集】「劇場型詐欺」1枚のハガキから法務省・弁護士巻き込んで…

大阪で去年認知された特殊詐欺の被害件数は1624件、被害金額は36億円にのぼり、過去最悪の水準となっています。オレオレ詐欺や還付金詐欺など手口は巧妙化する一方ですが、ここ数年はハガキを送りつけるアナログな手法が急増しているといいます。1枚のハガキから詐欺グループを追いました。
1枚のハガキから…「劇場型詐欺」
去年11月、兵庫県・伊丹市に住む60代の女性の自宅に1枚のハガキが届いた。「消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」と書かれている。差出人は「法務省管轄支局 国民訴訟お客様管理センター」となっているが、法務省に「お客様管理センター」という部署は存在しない。
「(ハガキが)郵便ポストに入っていて、見たら、あら?って(Q.心当たりは?)ないですけど。詐欺やなと思った。文章が難しい漢字ばかり使っていて、普通の主婦には送ってこない」(兵庫県・伊丹市に住む60代女性)

やはり、詐欺なのだろうか。記者が女性の息子を装って、ハガキに書かれていた番号に電話をかけてみた。

【記者と“お客様管理センター”のやりとり】

「はい、国民訴訟お客様管理センターでございます」
Q.ハガキが届いていまして『きょう訴訟取り下げ最終期日』になっているが?
「そうなんですね、ハガキが届いたご本人ですか?」
Q.本人の息子なんですけども
「当センターからお送りしているものではない。私どもセンターを偽った者から出されている。架空に請求を起こす詐欺関連。ご相談も増えています」

電話の男は「ハガキは詐欺の関連なので、気を付けるように」と注意を呼びかけてきた。しかし、女性本人が電話をかけてみると…
【伊丹市の女性とと“お客様管理センター”のやりとり】
「国民訴訟お客様管理センターの“イノウエ”です」
「ハガキがね、私宛に届いたんですけど…」
「ご通知に書かれている訴訟管理番号をお伝えいただけますか?」

驚いたことに、記者がかけた時とは対応がころっと変わった。イノウエと名乗る男は続けてこう話した。

「今、お調べしたところですね、総合消費料金が未納。(総合消費料金とは)民事規定で100項目以上の多岐にわたる内容ですが、わかりやすく代表例を挙げますと、公共料金やインターネット通信料金、通信販売のお支払い等、様々なものがあります」(イノウエと名乗る男)

男は「これ以上は弁護士でないと詳しく調べることができない」として、弁護士に電話をするよう指示してきた。いよいよ「劇場型詐欺」の幕開けだ。

「はい、東京第一弁護士会です」

“東京第一弁護士会”と名乗り、すぐに弁護士役の男に取り次がれた。

「お電話代わりました。東京第一弁護士会の“アベトシヒロ”と申します。よろしくお願いいたします。訴訟自体の取り下げ申請を行って裁判を取り下げていただく。取り下げ申請するにあたって、弁済供託金というものが必要になります。一律10万円です」(“アベ弁護士”と名乗る男)
弁護士の“アベ”は、少々強引に10万円を振り込むよう仕向けてきた。ここで記者が電話を替わると…
Q.毎日放送報道局の記者の者なんですけども
「はい」
Q.これ詐欺行為ですよね?
「・・・(プープープー)」

すぐに電話が切れた。記者がかけなおすも…つながらない。電話が再び繋がることはなかった。
同じ名前の弁護士が実在
弁護士役の男は“アベトシヒロ”と名乗っていたが、その後の取材で同じ名前の弁護士が実在することがわかった。東京にある事務所を訪ねると…入り口の看板には確かに名前が掲げられていた。
Q.すみません、アベ先生はいらっしゃいますか?
「はい、よろしくお願いします。アベと申します」

電話の“アベ”は“東京第一弁護士会”と名乗っていたが、現れたのは“東京第一法律事務所”の“安部敏広弁護士”だった。安部弁護士に録音した電話の音声を聞いてもらうと…

(電話)『東京第一弁護士会の弁護士のアベトシヒロと申します。よろしくお願いいたします』

Q.先生じゃないですよね?
「もちろん、私じゃないです」(安部敏広弁護士)
Q.実際に聞いてどう思われますか?
「何らかの情報で私の名前を使ったのだと思います。私としては非常に遺憾です。1日も早くこうしたことはやめてもらいたい」

やはり、実在する弁護士の名前が悪用されていたようだ。さらに…

「時期を同じくして、うちの代表弁護士が全く関わっていないものに、(詐欺の)ホームページで名前を使われているのが発覚して、いまそれについても対応している最中です」(安部敏広弁護士)

安部弁護士の所属する事務所では、ホームページ上で詐欺に注意を呼びかけるなどしている。
ハガキを使った架空請求詐欺が急増
「お受け取りになられたハガキについては、架空請求の類いのハガキでございます」(法務省職員)

弁護士と同じく、その名前を悪用された法務省。問題のハガキに関する問い合わせや苦情の電話が多い日では100件以上も相次ぎ、皮肉なことに本当に「お客様センター」のようになってしまっていた。

「なんとかセンターというものなくて、内容は全てデタラメですので無視していただければなと思います」(法務省職員)
Q.午後からはほとんどこの電話ばかり?
「午後3時、4時台は非常に多い。他の業務に手をつけることは、なかなか難しい状況」

国民生活センターによると、ハガキを使った架空請求詐欺の相談件数は2017年度に前年度の約60倍に急増。今年度は、すでにこれを上回る件数の相談があったという。では詐欺グループはなぜ、古典的ともいえるハガキを再び使い始めたのだろうか?
「電話がかかってきて、オレオレって言われるのが特殊詐欺だと思っている人に、ハガキが来るとこれは詐欺ではないと思わせる効果がこのハガキに今あるんだと思いますね。(詐欺の手口を)考えている人が必ずいます。(詐欺の手口を)考えだした人がマニュアルと名簿を誰にでも売るんでしょう。それが少し修正されながら広がっていく。また次の詐欺の方法が出てくるでしょうね。これで生活している人がいるわけですから」(龍谷大学・犯罪学研究センター 石塚伸一センター長)

金をだまし取るため、今も変化し続ける詐欺の手口。狡猾な詐欺師たちは時に古い手に立ち帰り、私たちを術中に陥れようとしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190208-10000001-mbsnews-l27
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190208-10000001-mbsnews-l27&p=2

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