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子どもの風邪に重症リスク 遊・眠・食で危険度見極め

通常、子どもが最も頻繁にかかる病気といえば風邪。でも、受診したら別の病気だと診断され、あわてることがある。今回は、風邪に見える病気にどんなものがあるかを紹介し、それぞれの対処法を考えてみたい。
◇  ◇  ◇
【普通の風邪】「食べられない、眠れない、遊べない」の症状に注意
「普通の風邪」の正式な病名は「かぜ症候群」。鼻腔(びくう)から咽頭までの「上気道」に急性の炎症が起こり、鼻水やのどの痛み、発熱などの症状を示す。8〜9割はウイルスが原因病原体である。
実際の診療では、ほかの病気である可能性が低く、しかも典型的な風邪症状がそろっている場合に風邪と診断されることが多い。
普通の風邪は通常、3〜4日で症状のピークを越え、その後はゆっくり回復に向かうことが多い。しかし、そろそろ治るタイミングかなと思ったのに、せきがひどくなる、熱が再び高くなるなどといった症状が出たり、全身状態が悪くなったりしたときに受診すると別の病気だったことがわかる場合もある。
1回目の診察から帰ったあと注意すべきこととして、小児感染症に詳しい聖マリアンナ医科大学小児科学教室講師の勝田友博氏は、「食べられない、眠れない、遊べない」のいずれかの症状があったら、全身状態が悪くなっている可能性があると指摘する。その場合、再受診などを考えた方がよいかもしれない。
【インフルエンザ】ワクチンで予防、重症な呼吸器症状には要注意
インフルエンザは、通常、発症すると突然の高熱(通常38度以上)、頭痛、関節痛などが表れ、その後、せきや鼻水、のどの痛みなどの風邪症状がみられる。ワクチンによる予防が可能で、医療機関にかかると、迅速検査でかかっているかどうかを確かめることができる場合もある。重症な呼吸器症状を起こしたりするため、油断はできないが、多くは1週間程度で自然に治る。
日本では抗インフルエンザ薬を使うのが半ば常識になっていて、患者が処方を医師に求めることも少なくないが、平均すると症状が出ている期間を1日程度短縮するだけだ。ただし、2歳未満の場合や気管支ぜんそくがある場合などには医師の判断で処方されることがあるので、説明をよく聞いて指示に従おう。
【溶連菌感染症】のどの白いうみや首のリンパ節の腫れがあれば迅速検査することも
のどが痛くなるが、せきと鼻水は見られないのが特徴。3歳以上の子どもでは症状が重くなることがある。のどをみると白いうみがついていたり、首のリンパ節が腫れることがある。紙やすりのようにざらざらした発疹がみられることもある。周囲で流行しているかどうかも把握しておくとよい。溶連菌感染症が疑われる場合、医療機関で迅速検査を受けると5分くらいで感染しているかどうかわかる。
溶連菌感染の治療には、抗菌薬が有効だ。このため、風邪と思って受診したとき、普通の風邪と違って、抗菌薬が処方される場合の一つがこの溶連菌感染症だ。治療が不十分な場合、リウマチ熱という心臓のトラブルを発症することがあるので、溶連菌感染と告げられて抗菌薬が処方されたらしっかり服用することが大切だ。
【RSウイルス感染症】他に疾患があると重症化の危険性も
大量の鼻水が出るのが特徴で、0〜1歳でかかると比較的重く、細気管支炎になってぜいぜいした呼吸(喘鳴=ぜんめい)が見られることがある。低出生体重児や心臓病、呼吸器疾患、免疫不全、ダウン症などがあると重症化しやすい。従来は冬の感染症だったが、2018年には7〜8月にも流行があり、年間を通して流行する可能性もあるという。RSウイルスに対応した抗ウイルス薬はない。
【肺炎球菌感染症】風邪に似た症状の下気道感染(肺炎・気管支炎)や中耳炎、髄膜炎、副鼻腔(びくう)炎起こす
風邪症状を起こす気道感染のほか、中耳炎、髄膜炎、副鼻腔炎などを起こす。特に髄膜炎は死亡する場合や後遺症が残る場合があるため、ワクチンが定期接種になった。肺炎球菌には90種類以上あり、現在のワクチンはそのうち感染症の原因菌としてよくみられる13種類に対応している。定期接種が開始された13年を境に肺炎球菌による髄膜炎はかなり減少している。
【麻疹(はしか)・風疹(三日はしか)】発症すると発熱に伴って大量の鼻水と目やに、特有の発疹も
はしかも実は初期に風邪のような症状がある病気だ。発症すると発熱に伴って大量の鼻水と目やにが見られる。2〜3日後にいったん熱が下がって楽になったと思うと再び熱が上がり、はしか特有の発疹が現れる。
はしかのワクチン接種は1歳からなので、0歳児は流行があるとかかってしまう可能性がある。また、30歳から50歳の成人はワクチン接種をしていない人も少なくない。社会的に行動範囲が広く、免疫がない人が、国内外の流行地域でかかって帰ってきて、地元や家族に広めてしまうことがある。
風疹は「3日はしか」という名のとおり、はしかに比べると症状は軽いが、発熱と同時に発疹が出て、耳の後ろのリンパ節が腫れる。本人は軽症か、症状が出ないのに、他人にはうつすという場合もあって、はしかよりさらに診断は難しい。
最近よく報道されているように、妊娠している時に母親が感染すると、先天性風疹症候群の子どもが生まれることがあるため、とくに子どもを持つ可能性がある女性やパートナーは、ワクチンによる予防が必要だ。
【副鼻腔炎】発熱、鼻水が出て、頬や目の下を押すと痛がる
せきや発熱などがあり、風邪を引いたなと思ったあと、3〜4日経ってもよくならず、再び発熱があったとき、どろっとした鼻水(膿性鼻汁=のうせいびじゅう)が出るほか、頬や目の下を押すと痛がる、頭痛がする、むし歯はないはずなのに上の歯が痛い、などの症状があると副鼻腔炎(ふくびくうえん)が疑われる。ただし、膿性鼻汁が出ていても必ずしも細菌性とは限らない。
相当重症でない限り、1回目の診察で副鼻腔炎と診断されることは少なく、熱が下がらなくて再度受診した際に診断がつくことが多い。
【急性弛緩性麻痺(まひ)】風邪症状で手足に力が入らないときは医療機関へ
比較的低年齢の子どもが夏から秋にかけて、発熱や鼻水、せきを伴ういわゆる夏風邪にかかった後、急に手足に力が入らなくなることがある。最近、報道されて話題になった。麻痺は回復するものの、7割から9割の患者には、ある程度の筋力低下が残ることがある。今のところ、ワクチンはなく、有効性が確認された治療法もない。風邪を引いたかなと思ったら、手足に力が入らない様子が見られたときは、ほかの病気の可能性もあるので、医療機関を受診した方がよさそうだ。
【アレルギー】症状が長期間続くかどうかで風邪と区別する
花粉症などのアレルギー性鼻炎は、だるい、顔が赤くて熱っぽい、鼻水が出る、など、症状が風邪に似ているため、風邪として受診することもある。医師は、毎年同じ時期に同じような症状が出ているか、症状が1カ月以上など長期間続くかどうか、などの質問をして、感染症の風邪と区別する。
原因として多いのは、スギ花粉やハウスダスト、ペットなど。医師は、一見病気とは関係ない質問、例えば、おじいちゃんの家に行って、飼い犬がいたか、最近、新しく植物を植えたか、大掃除や引っ越しをしたか、などを尋ねることがある。アレルギーと診断がつけば、風邪薬の代わりに、花粉症の大人と同様、「第2世代抗ヒスタミン薬」などが処方されることがある。
■「いつ仕事に戻れるか」に唯一の正解はない
子どもが回復してきたと思ったとき、悩ましいのはいつ保育や学校に行かせるかの見極めだ。働いている母親はずっと待ってはいられないので、子どもの様子をよく見たうえで、学校などの規定に従い、保育や通学を再開することになる。
勝田氏は、「鼻すすりなどの症状が少しあっても、『遊べる、眠れる、食べられる』の3つがクリアできていれば、集団保育などの再開は可能ではないか。保育士さんなどとよくコミュニケーションをとり、下痢があったら、おむつを替えたあと、よく手を洗ってもらうなどの対応が必要」と指摘する。
復帰のタイミングに唯一の正解はないが、子どもの体力の回復を確認することが大切だ。十分な体力がないまま復帰すると、次の病気にかかりやすくなる。特に新しい子どもたちと出会うことが多い4〜6月は病気を「もらう」ことも多いので注意が必要だ。

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