近年増えてきている「年賀状メール」
「年賀状」というと年賀はがきで、というのが一般的ですが、最近はいざ出す時期になりますと「メールやLINEで送ってもいいかな?」と迷う場合も多いようです。
今回は、年賀状をメールやLINEで自分から出す場合、相手から届いた年賀状にメールやLINEで返事を出す場合など、それぞれの場面に合わせて、注意点や文例を見てみましょう。
年賀状をメールで出すのはNG行為なの?
年賀状を送る相手との距離感によります。日頃から主にメールを利用して連絡を取り合っている場合は、相手もメールで届いたほうが便利ですし、相手を煩わせないという利点があります。
ビジネス、仕事場でも、人数が多い場合などは社員宛にはメールでという会社もあるようですし、学校側から教師全員に出すような例も少なくありません。
それ以外に、取引先宛てや上司と部下などの場合は、その会社の慣習にもよると思われます。取引先宛てなどは、年賀状を出しても、新年最初のメールでは新年の挨拶の言葉を添えることがありますので、いずれにしても年賀メールに関する知識やマナーは把握しておくのがよいでしょう。
なお、ビジネスでのメールの場合、相手も休みに入ってしまうわけですから、いつごろ出すかというのも迷うことがあるかもしれません。正月休み明けの松の内(関東では1月7日)前後あたりが一般的なようです。
では、相手から年賀状をもらった返事としてメールで出す場合はどうでしょうか。
相手から年賀状をはがきでもらった返事としては?
こちらも、今のご時世決してメールを使ってはいけない、すべてがマナー違反だとは言い難い点もあるのではないでしょうか。しかし、ここでひとつ忘れてはいけないのは場合にもよるということと、先の文例同様ひと言添えるなどの気くばりは必要という点です。
相手に対しての気くばりは決して忘れてはいけないもの!
メールに対しての印象の個人差もあるかもしれませんが、相手はひと手間かけて年賀はがきとして送ってくれたのですから、それに対してメールで返事をするのは略式になるわけです。ですから、当然メールでいいやという態度は相手も不快に感じるものです。
また、目上の人やお世話になった人が丁寧に年賀はがきで挨拶してくれたのに、そのような場合でもいつでもメールでというのはやはり失礼です。
今や通信手段として一般的になり何かと便利なメールですが、相手に不快感を与えたり、マナー違反という印象をもたれたりしないようにするためには、相手やその時々の状況に合わせて使い分ける工夫と、略式をひと言わびる気くばりが何より大切と言えるでしょう。
では、ひと言添える言葉としては具体的にどのような言葉が適当か、次に文例をいくつかあげてみましょう。
文例1:メールで年賀状を送る場合の“ひと言”
・本来でしたら、きちんとお手紙で申し上げるべきところを、メールでの失礼をお許しください。
・メールにて失礼いたします。
・年賀状を頂戴いたしましてありがとうございます。今年こそはと思いながら、暮れから子どもたちが来たりとうっかり遅れてしまい、メールなどで申し訳ございません。
・暮れが忙しいのは皆さん当然のことですから、何の言い訳にもなりませんが、
・今年もメールになってしまいまして、失礼をどうかお許しくださいませ。
・いつもお手製の素敵な年賀状をいただきまして、ありがとうございます。
・略儀ながらメールにて失礼いたします……など。
文例2:仕事で付き合いがある方にメールで年賀状を送る場合
以上の内容を踏まえて、実際にガイドが年賀メールを作成してみました。なお、送り相手は、私の担当をしている編集者の方を想定しています。
<メール件名>
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます(井上明美)
<メール本文>
○○○○様
あけましておめでとうございます。
昨年中は記事の件ではお世話になりましてありがとうございました。
いつも新記事のご提案、レイアウトの調整など
ご配慮いただきまして感謝申し上げます。
本年も何かとお世話になることと存じますが
どうぞよろしくお願い申し上げます。
メールにて申し訳ございませんが、新年のご挨拶にて
失礼申し上げます。
井上明美
https://allabout.co.jp/gm/gc/466367/