全国の消費生活センター等には、「1日数分の作業で月に数百万円を稼ぐ」「○万円が○億円になる投資法」といったお金儲けのノウハウと称して、インターネット等で取引される情報である情報商材(注1) に関連する相談が増加しています。PIO-NET(注2)には、2017年度の相談件数は6,593件と2013年度に比べ7倍超となり、2018年度も増加ペースが続いています。
相談事例をみると、「高額収入を得る方法を教えると強調された広告等を見て連絡をしたところ、高額な契約をすれば副業や投資等で儲けることができるノウハウを教えると勧誘されたが、実際は説明と異なり儲からない」等という苦情が寄せられています。
そこで、情報商材に関する相談事例を紹介し、今後のトラブルの未然防止・拡大防止のため、相談事例から見る問題点について消費者に注意を呼び掛けるとともに、関係機関に要望と情報提供を行います。
2013年度の相談件数は872件、2014年度の相談件数は999件、2015年度の相談件数は1,754件、2016年度の相談件数は2,965件、2017年度の相談件数は6,593件、2018年度の相談件数は1,628件(前年度同期の相談件数は753件)です。
- (注1)詳細は情報商材の特徴を参照。
- (注2)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。消費生活センター等からの経由相談は含まれない。相談件数は2018年6月30日までの登録分。
情報商材の特徴
情報商材とは、インターネットの通信販売等で、副業、投資やギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売されている情報のことです。情報商材はPDF形式などの電子媒体で取引されることが多く、パソコンやスマートフォン等を使ってダウンロードや閲覧をすることができます。事業者によっては、動画やメールマガジン、アプリケーションで配信したり、冊子やDVD等に加工して契約者に送付する場合もあります。
情報商材そのものだけでなく、情報商材をきっかけに高額なコンサルティングやビジネスセミナー、ソフトウエア等を契約させられるケースもあり、契約書にもアフィリエイト、ビジネスサポート、コンサルティング、業務委託等の名称が用いられていることがあります。
相談事例
副業に関する情報商材の相談事例
- 【事例1】
- 安価な情報商材を購入し、さらに高額な契約を勧められたが、約束のサポートが無い
- 【事例2】
- SNSをきっかけに情報商材を購入したが、内容が説明と異なるうえに儲からない
- 【事例3】
- 求人サイトで「在宅で稼げる。返金保証」とあり契約したが稼げず返金も拒否された
投資に関する情報商材の相談事例
- 【事例4】
- SNSでFXの情報商材を知り、セミナーに出かけ契約したが、無価値な内容だった
- 【事例5】
- 仮想通貨の儲け話に興味を持ち高額な契約をしたが、サービスの提供が無い
相談事例からみる問題点
- 簡単に高額収入を得られることを強調する広告・宣伝
- 次々に契約を迫る等の強引な勧誘
- クレジット契約や借金をさせてまで高額な契約を結ばせる
- 広告・説明と異なり儲からない、サポートや返金保証が無い
消費者へのアドバイス
- 情報商材は契約前に中身を確かめることができない。怪しいと思ったら連絡しない
- 高額な契約を勧誘されたり、話が違うと思ったら、きっぱりと契約を断る
- クレジットカードでの高額決済や借金をしてまで契約しない
- 不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談してください
要望先
- 消費者庁 消費者政策課(法人番号5000012010024)
情報提供先
- 消費者庁 取引対策課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官(法人番号8000012130001)
- 経済産業省 商務・サービスグループ 消費・流通政策課(法人番号4000012090001)
- 経済産業省 商務・サービスグループ 消費経済企画室(法人番号4000012090001)
- 経済産業省 商務・サービスグループ 商取引監督課(法人番号4000012090001)
- 厚生労働省 雇用環境・均等局 在宅労働課(法人番号6000012070001)
- 一般社団法人日本クレジット協会(法人番号1010005014126)
- 日本クレジットカード協会(法人番号9700150005109)
- 日本貸金業協会(法人番号5010405007114)