強い地震に見舞われた東京都内では、夕方から帰宅を急ぐ人々で大混乱した。駅員らは再開のめどをたずねる人々の対応に追われた。
JR東京駅では、改札が開放され、自由に通行できる状態に。家族に連絡をとろうとする人々が公衆電話の前に長い列を作った。静岡県から都内の病院に検診にきていた女性(60)は「地震発生直後は携帯から、自宅に連絡ができ、『無事だ』と伝えることができたが、今はつながらない。都内にいる親戚(しんせき)の家に行こうかと思うが、公衆電話からでも(親戚)の携帯はつながらない。これからどうしよう」と途方にくれた様子。
中央線ホームにつながるエスカレーター前にも長い列ができた。東京都八王子市の主婦(75)は、高尾駅への向かうため、地震発生直後から3時間近く待ち続けた。「駅からの放送は『安全なところに避難してください』とか『しばらくお待ちください』。安全なところと言ってもどこに避難したらいいのかわからない」と不安そうな表情を浮かべた。
東京メトロ大手町駅では、東京湾に津波警報が発令された後、皇居前広場に避難誘導するアナウンスを繰り返し流しているため、人の姿はまばら。皇居前の和田倉噴水公園の休憩所には、ビルから避難してきた大勢の会社員らでいっぱいに。20階にあるオフィスから階段で避難してきた会社員の男性(42)は「ビルには怖くて、居続けることができなかった。3時過ぎからずっと公園にいたが、寒くなったので中に入った。電車が動いたらこのまま帰ろうと思っているが、埼玉県の家族が無事か、まだ連絡が取れていない」。
会社からヘルメットと非常用袋の提供を受け、ペットボトル水を持って避難中の外資系の会社員男性(33)は「自宅は都内。このまま歩いて帰るつもり」と同僚と連れだって、西方向に向かった。
一方、東京駅前の都バス乗り場も20メートル以上の長い列ができた。錦糸町駅に向かうバス停の前に待つ2人連れの女性は「4時15分ごろのバスが来ていたよう。でも次のバスは1時間以上待っても、まだ来ない。いったい、いつ乗れるのか」と少しずつ下がる気温のなか、体をふるわせた。
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