福島県にある東京電力の福島第一原子力発電所では、地震で停止した2基の原発で、原子炉を安全に冷やすための非常用の発電機がすべて使えなくなり、東京電力は、原子力災害対策特別措置法に基づいて、国に「緊急事態」を知らせる通報をしました。このあと、総理大臣が法律に基づいて「原子力緊急事態」を宣言し、「原子力災害対策本部」を設置して、住民の安全に必要な防護対策を取ることにしています。
原子力安全・保安院によりますと、福島県にある東京電力の福島第一原子力発電所では、地震で停止した2基の原発で、原子炉を安全に冷やすために必要な非常用の「ディーゼル発電機」が4台すべて使えなくなりました。東京電力は、福島第一原発の2基の原発は、周辺で停電が続いているうえ、「ディーゼル発電機」が使えないため、継続して冷やす能力が十分にないと判断しました。このため東京電力は、福島第一原発について、原子力災害対策特別措置法に基づいて、午後4時に行った「異常事態」の通報に続き、午後5時に「緊急事態」を知らせるいわゆる「15条通報」を原子力安全・保安院に行いました。このあと、総理大臣が法律に基づいて「原子力緊急事態」を宣言し、「原子力災害対策本部」を設置して、住民の安全に必要な防護対策を取ることにしています。福島第一原発では、今のところ放射性物質が漏れるなどの外部への影響はないということです。原子力災害対策特別措置法に基づいて、総理大臣が「原子力緊急事態」を宣言するのは、平成12年にこの法律が施行されてから初めてです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110311/t10014605941000.html