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水の飲み過ぎはキケン? 熱中症で気をつけたい「水中毒」とは

◆熱中症時に気をつけたい水中毒
「水中毒」と聞いてもピンとこない方も多いかもしれません。通常の生活で水中毒になることはあまりないのでご安心ください。日本人はむしろ塩分を摂りすぎているぐらいですから。

では、どのような場合に水中毒になるのでしょう? 「大量の汗をかいたとき」や「大量の嘔吐もしくは下痢をしたとき」などに水分を補おうと大量の水を体内に入れた場合におこります。水だけを急にたくさん入れてしまうと、体内の電解質のバランスが崩れてしまうからです。

汗や涙を舐めたとき「しょっぱい」と感じたことはありませんか? 私たちの体液には塩分が含まれています。たくさんの体液が失われるとそれだけ塩分も喪失してしまうので、汗を多くかいた場合などには水分と同時に塩分も補給しないといけないのです。
◆体内でナトリウム濃度が低下すると水中毒に
血液中には一定濃度のナトリウムが必要とされています。通常は、腎臓から出すナトリウムの量を調節することにより、体内のナトリウム濃度を維持しています。しかし、急な変化には対応ができないので、ナトリウムの濃度が大きく変化することでさまざまな問題が生じます。ナトリウム濃度が低下すると、水中毒(低ナトリウム血症)となり危険な状態になります。
◆水中毒が原因で死亡することも・・・
2005年、ハーバード医科大学のグループ研究結果では、ボストンマラソンの参加者でボランティアを募り、レース後に血液検査を行ったところ、13%の人に「低ナトリウム血症」が生じ、中には重症でレース中に倒れた人もいたということがわかりました。原因は大量の水をとったことにより血液中の塩分濃度が相対的に急激に下がり、低ナトリウム血症をきたしたことによるものでした。

また、2007年、アメリカのラジオ局が開催した水飲みコンテストで「水中毒」をおこして死亡するという事件がありました。この女性は3時間で7リットルの水を飲んだということです。もちろん、塩分はとっていません。
◆水中毒(低ナトリウム血症)の症状
通常、私たちが、1日に水を1.5~2.0リットルをとるぐらいでは問題はありません。しかし、ナトリウムを含まない水分摂取を過剰に行うと、体内のナトリウム濃度が下がり、水中毒を起こす可能性があります。

低ナトリウム血症は、軽い疲労感から始まり、頭痛、嘔吐、精神症状をきたし、ひどい場合は痙攣、昏睡を経て死に至ることもあります。

水中毒は水の量に比べ、ナトリウム(塩分)が不足している状態であるので、「マラソンなどの運動により大量に汗をかいた場合」や「嘔吐・下痢により体内の電解質を喪失した場合」などには、塩分の補給が必要になります。

また、塩分を効率よく吸収させる場合には糖分も必要です。腸で吸収される際に、ナトリウムとともにブドウ糖があると効率よく吸収できます。
◆嘔吐・下痢などの脱水には経口補水液!
運動で汗をかいた場合には、スポーツドリンクがいいでしょう。ただし、急性胃腸炎などの嘔吐・下痢の場合は、汗で失うよりもたくさんのナトリウムやカリウムなどの電解質が失われます。

急性胃腸炎の嘔吐・下痢では、スポーツドリンクの塩分では足らないことが多く、逆に糖分は多すぎるので、WHOが推奨している経口補水液(ORS)が適しています。経口補水液は、下痢や嘔吐などの脱水や熱中症予防に対して、水分、塩分補給のために用いられます。
◆簡単な経口補水液の作り方
ドラッグストアなどにも、「オーエスワン」などの経口補水液が売っていますが、経口補水液は家庭でも簡単に作ることができます。

1リットルの水に、小さじ(5cc)すり切り6~8杯の砂糖と小さじ1/2杯(2~3g)の塩を混ぜるだけです。これにオレンジジュース100ccを混ぜるとカリウムも補充できますし、味も良くなります。小さじがない場合は、ペットボトルのフタがちょうど5ccになるのでこれで代用も可能です。

脱水がひどい場合には、適度な塩分や糖分の補給が必要です。ただし、スポーツドリンクは糖分が多いので、飲み過ぎには注意しましょう。
今村 甲彦

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