香川県の名物「讃岐うどん」。一方で、1つの製めん所だけで、年間1,500トン以上のうどんが廃棄されている。この廃棄うどんを再利用とする試みが、香川県で進められている。
名物・讃岐うどんで有名は香川県の悩みの種は、製造工程でラインから落ちてしまったり、また、賞味期限が切れてしまったうどんを廃棄すること。
香川県産業技術センターによると、廃棄うどんの焼却には1トンあたり1~2万円かかるといい、大規模な製めん会社の多い香川県では、その費用負担が大きな問題になっている。
讃岐うどん店の客は「(年間1,500トン廃棄されているが?)知らなかったです。もったいないですね」、「何か使い道があったらいいですよね」などと話した。
廃棄うどんに悩む製めん会社から相談を受けた香川県は、廃棄うどんの有効利用を検討し、現在、実用化を目指して進めている試みがあるという。
廃棄うどんは、まずすりつぶしてペースト状にする。
これを再利用するために開発された機械に入れ、酵母を加え、1週間ほどかけて発酵させる。
その後、蒸留させるとアルコールの1種・エタノールができあがる。
1月から始まった実証実験では、うどん100グラムから、濃度100%のエタノールがおよそ10グラム製造できたという。
うどんのでんぷんが、エタノールの原料となるブドウ糖に分解されやすいことに着目。
香川県によると、この技術開発は全国初めての試みで、2012年春の実用化を目指している。
こうして抽出されたエタノールは、うどん工場の燃料として使われる計画となっている。
開発を進めるちよだ製作の担当者は「これをきっかけに、全国に向けて、食品廃棄物の再利用をやっていきたい」と話した。
さらに、エタノールを抽出したあとの残りかすも、有機肥料などに加工でき、廃棄うどんを無駄なく利用することが可能だという。
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