台風10号による河川の氾濫で大きな被害を受けた岩手県岩泉町で3日、橋の崩落や土砂崩れによる道路の寸断で孤立した地区に自衛隊などのヘリコプターが入り、空路で住民を避難させたり支援物資を届けたりして、孤立解消に向けた作業が本格化した。町によると、同日夕までに孤立地区を含め町内で8人と連絡が付いていないという。
県の同日正午現在のまとめによると、岩泉町では289世帯602人、久慈市で110世帯212人が孤立状態にある。このうち、道路の復旧が見通せない岩泉町の安家(あっか)地区大平(おおだいら)など4集落の計152人について、町はヘリによる避難を県などに要請。この日は陸上自衛隊などのヘリが住民を乗せて町民会館に避難させた。
一方、県警は3日、岩泉町の小本川付近で2日に心肺停止の状態で見つかった1人の死亡が確認されたことを明らかにした。台風による県内の死者は13人(岩泉町12人、久慈市1人)。このほか、町内で心肺停止の状態で見つかった別の1人も死亡が確認され、台風で川に流されたとみて調べている。一方、北海道では、清水町で行方不明者2人の捜索が続いている。台風による死者は岩手県と北海道で計15人となった。【一宮俊介】
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