ナショナルトラスト運動で知られる和歌山県田辺市の天神崎で6日、社会貢献活動組織「ユナイテッド・アース(UE)」(事務局=神戸市)が「天神崎の自然を大切にする会」と協力し、海底や海岸を清掃した。全国から大学生ら約70人が参加。流木や生活ごみなど軽トラック2台分を回収した。
UEはNPOや有識者、アーティストらの集合体。市民が分野の垣根を越えてつながることで、社会的な課題の解決を目指す。今回は海の再生プロジェクト第1弾で、今後全国で同様の取り組みを展開したいという。
海底清掃にはダイバー13人が参加した。空き缶やビニール袋などを引き揚げた。
潜水3万時間超の潜水士で、海底緑化に取り組む渋谷正信さん=神奈川県=は「(全国で磯焼けが進んでいるが)天神崎は軽症。栄養分も行き届いている。ただし、ウニが大量発生して海藻が少ない。定期的な駆除が必要」と指摘した。
UEの渕上智信代表(48)は「漁協と協議し、生態系を取り戻す取り組みを呼び掛けられれば」、プロジェクトリーダーの田辺市湊、桜井保典さん(48)は「ベテランダイバーから、海藻が減少していると聞いている。地元で保全に向けた活動をしたい」と話した。
プロジェクトは1泊2日で、海の環境学習会もあった。海岸でごみ拾いをしたUEボランティアスタッフで奈良県の大学生、菅岡繁理さん(20)は「田辺の海はとてもきれい。楽しみながら清掃できた」と笑顔を見せた。
地元の「大切にする会」は「全国の若者が田辺の海に関心を持ってくれるのはありがたい」と話している。
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