障害などで字が書けない有権者が投票する際、代筆や立ち会いをする「補助者」を投票所の係員に限るとした改正公職選挙法の規定は憲法違反だとして、大阪府豊中市の男性が16日、国に希望する補助者の下で投票できるよう求める訴訟を大阪地裁に起こした。
男性は中田泰博さん(44)で、憲法で保障された「投票の秘密」が守られていないと主張。代理人の弁護士によると、この規定の違憲・違法性を問う訴訟は全国で初めて。
訴状によると、中田さんには先天性の脳性まひがある。字を書くのが難しく、投票しても無効票と判断される恐れがあったため、これまではヘルパーが代筆して投票してきた。
しかし、2013年に改正された公選法には、投票の代理を、投票所の事務を担う係員に限定する規定が盛り込まれた。中田さんは昨年7月の参院選で、ヘルパーか弁護士による投票を求めたが、豊中市選挙管理委員会は規定を根拠に認めず、投票を断念した。
中田さんは、公選法の規定は憲法が定めた選挙権を制限していると主張。不当な障害者差別にもあたり、障害者権利条約などにも反すると訴えている。
投票できなかったことで精神的苦痛を受けたとして、慰謝料110万円も求めている。【向畑泰司】
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