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歯科医が解説! 虫歯にならない歯磨きの回数とタイミングは?

◆食後すぐに磨くのはNG? 虫歯にならない歯磨きのタイミング
少し前まで、歯磨きの基本は「1日3回、食後3分間以内に、3分間のブラッシング」と言われていました。これは食事で汚れた歯をすぐに綺麗にすれば虫歯になりにくいという考えられていたためで、現在では誰にでもわかりやすい大変良い指導方法だとは思います。

しかし実はこれには少し矛盾もあるのです。食事による糖質を栄養にして、プラークが酸を出して活動が活発になり、歯が溶かされ始めるのは、「食後3分から」ではなく、「食事を開始して3分後から」というのが正解です。

さらに食後3分後ではすでにプラークの活動が活発で、歯のエナメル質が溶かされ始めており、さらには酸性食品の摂取などによって歯そのものも溶かされている状態なので、この時間帯に歯ブラシでさらに歯を擦ってしまうと磨耗を促進してダメージを与えるのではないか? と最近では考えられています。 

そのため、これらを踏まえた上で歯磨きにベストなタイミングを考えるのは単純ではありません。何分後から磨けば良いのかという決まりは曖昧になりやすく、唾液による修復が終わるまで、遅ければ遅いほどいいとも考えられます。結果として、食後30分後から4時間ほど経過後がベストと考えると、現実的に歯磨きがしにくくなるという問題も起こります。どこで折り合いをつけるのがよさそうかは、次の項目も見ながら最後にご紹介しましょう。
◆虫歯予防に有効な歯磨き回数は「1日1回」で十分?
以前は、1日3回の食事に合わせて、1日3回歯磨きをすることが推奨されていました。しかし最近では、上記のようにプラークが酸によって実際に歯を溶かす時間が注目されています。実はプラークの酸を使ったとしても、歯に穴を開くまでに必要な時間は、概ね24時間ほどかかるのです。もちろん唾液による中和と再生の繰り返しも同時に行われています。そのため、24時間以内にきちんとした歯磨きができれば、その日の虫歯予防に必要なことはできたと考えられます。

そして、特に虫歯が進行するのは、唾液の分泌が減少する就寝中です。就寝中はエナメル質の中和と再生が行われにくいため、酸による脱灰が増加しやすくなります。そこで「1日1回、夜寝る前の歯磨きをしっかり行えば、虫歯にならない」という考え方がされるようになりました。

それでは2回ではいけないのか? 3回では磨きすぎなのか? といった疑問について、最後にお答えします。
◆諸説ある効果的な歯磨き方法…実は結果を保証してくれない?
以上、現在わかっている最新の考え方を軸に、ベストな歯磨きのタイミングと回数について解説してきましたが、実はこれら新旧の歯磨きのルールというのは、努力の目安であって、プラークが綺麗に落ちたかどうかの、結果が保証されているわけではありません。

例えば学校でのテスト前に「寝る前と朝に○時間勉強した方がいい」といった統計があったとしても、実際の結果は、もっと短時間の勉強で100点を取る人もいれば、アドバイス以上の努力をしたのに、60点しか取れなかったという人が現れるのと同じです。

歯磨き回数については、1日1回でも問題はないが、この場合この1回に100点満点の歯磨きが必要ということになります。つまり完全にプラークを除去しなければ、次は24時間後のブラッシングになってしまうため、毎日が真剣勝負です。そこまで自信がなければ、今までと同じ2~3回で磨いても良いと思います。2回、3回磨けばそれだけ虫歯になりやすくなるなんてケースはありません。現実問題として、3回程度磨くということについてのデメリットはあまり気にしなくても良いでしょう。

歯磨きを開始する時間については、唾液による再石灰化にかかる時間を理解した上で、食後すぐに力を入れてゴシゴシ磨くことをさければいいだけです。食後3分に磨くことが「厳禁」ではありません。現実問題として、昼食後3~4時間後に歯磨きを行うことなど不可能に近いことですし、学校などの決められた時間内で食後にすぐに歯磨きをしなければならないような場所も多いと思います。現実には歯が削れて抜歯になるよりも、虫歯や歯の形はそのままに歯周病で抜歯になってしまうケースがほとんどです。

あまり再石灰化の時間を気にしすぎると、プラークが増加して→歯の再石灰化の時間に時間がかかるため、歯磨きができない→さらにプラークが増加するといった本末転倒なことが起こってしまいます。

歯を磨くことが歯にダメージを与えるかもしれない過剰に心配するよりも、歯をちゃんと磨くことでしか歯を守ることができないと考え、自分のやりやすい方法に合わせて歯磨き習慣を持っておくことが大切なのです。

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