視覚障害者が駅のホームから転落しないよう、目の不自由な名古屋市熱田区の夫婦らが、ホームドアの設置を求め署名活動を続けている。5日、夫婦が参加する愛知視覚障害者協議会などが市内の金山駅北口前で署名活動を行った。6日にこれまでに集めた約3000人分の署名を国土交通省に提出する。
夫婦は、同協議会の会長を務めるしんきゅう師の梅尾朱美さん(66)と、夫で元盲学校教員の博也(ひろなり)さん(65)。
この日署名活動に参加した協議会のメンバー7人のうち、朱美さんを除く6人がホームから転落した経験がある。博也さんは数年前、当時通勤などに使っていた名鉄神宮前駅(熱田区)で、盲導犬とともにホームから転落した。ホームと平行に歩いているつもりが、斜めに歩いていた。「寒い夜で、早く家に帰りたかった」と振り返る。盲導犬は知らせてくれたが、「気が焦って気づかなかった」という。
朱美さんは、視覚障害者が歩く方向を誤る「方向誤認」はよく起きると説明する。「私は怖いから、ホームでは一歩一歩、ゆっくりと歩く。ホームドアさえあれば、安心できる」と訴えた。
同協議会は1993年ごろからホームドア設置を求める運動を行ってきた。国への署名提出は、5000人分を提出した昨年5月に続き2度目。梅尾さん夫婦は「関東や大阪で事故が起き、市民の注目度も高まった」と、早期の設置に期待している。【黒尾透】
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