子育てはトラブルの連続。
「こうすればいい」「これが効く」情報が溢れすぎていて、何が正しいのかもわからない。
そんな悩みに答えるべく、この連載ではポイントをおさえた「70点のとり方」を専門家の方々に質問していきます。
* * *
質問:生後3カ月の子どもがいます。どうしても添い乳や添い寝をしないと寝てくれません。「添い寝をすると子どもが突然死しやすい!」と聞いたのですが、このまま続けていても大丈夫でしょうか?
答え:ぐっすり眠ったらベビーベッドに移すなど、硬めの布団で寝かせる工夫をしてみましょう。大変ですが寝かしつけのまま一緒に寝ないように気をつけましょう。
答える人 石橋涼子先生(石橋こどもクリニック院長)
まず「乳児突然死症候群」と「窒息」の違いをご説明します。
乳児突然死症候群はおもに1歳未満の乳児が、とくに健康上の問題もなさそうなのに、睡眠中に突然死を起こす疾患のことです。原因ははっきり解明されていないのですが、うつぶせで寝た場合にそのリスクが高まり、仰向けではリスクが減少することがわかっています。
もっともリスクが高いのは生後6カ月前後までで、その後はリスクが下がっていくことがわかっていますが、「いつまで仰向け寝をさせるべきか」というガイドラインは定まっていません。
窒息は、顔が埋もれてしまうような柔らかい布団や枕で呼吸口が塞がれてしまい、起こる事故です。うつぶせで寝返りが打てないとやはり窒息してしまうことがありますし、添い寝していて大人の布団や枕で窒息したり「川の字」になって寝ていて親の体に圧迫され窒息したケースもあります。
どちらの場合も言えるのは、とくに寝返りが打てない乳児のうつぶせ寝は危険だということです。自分で寝返りしてうつぶせになってしまう子もいますが、少なくともうつぶせで寝かしつけることは避けたほうがよいでしょう。また、最近の大人用の布団や枕は柔らかいので、添い寝したままで寝てしまうのはあまりお勧めできません。抱え上げると起きてしまうお子さんも多いので大変だとは思いますが、深く眠ったらベビーベッドに移すのがいいですね。
ちなみに件数は多くありませんが、ベッドと壁の隙間に落ちるなど、転落による事故もあります。大きい子なら受け身がとれるので大怪我の危険は減りますが、小さい子はそうはいきません。寝返りもハイハイもできない子どもでも、ずりずり動いていると思わぬ距離を移動してベッドから落ちてしまうこともあります。やはり大人用のベッドは危険です。
万一転落した場合、顔色が悪い、手足を動かせないなど様子がおかしい時はすぐに救急受診を。目立った外傷がなければ吐き気や頭痛、意識の混濁などに注意して、1日は家庭で経過をみましょう。
「こうすればいい」「これが効く」情報が溢れすぎていて、何が正しいのかもわからない。
そんな悩みに答えるべく、この連載ではポイントをおさえた「70点のとり方」を専門家の方々に質問していきます。
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質問:生後3カ月の子どもがいます。どうしても添い乳や添い寝をしないと寝てくれません。「添い寝をすると子どもが突然死しやすい!」と聞いたのですが、このまま続けていても大丈夫でしょうか?
答え:ぐっすり眠ったらベビーベッドに移すなど、硬めの布団で寝かせる工夫をしてみましょう。大変ですが寝かしつけのまま一緒に寝ないように気をつけましょう。
答える人 石橋涼子先生(石橋こどもクリニック院長)
まず「乳児突然死症候群」と「窒息」の違いをご説明します。
乳児突然死症候群はおもに1歳未満の乳児が、とくに健康上の問題もなさそうなのに、睡眠中に突然死を起こす疾患のことです。原因ははっきり解明されていないのですが、うつぶせで寝た場合にそのリスクが高まり、仰向けではリスクが減少することがわかっています。
もっともリスクが高いのは生後6カ月前後までで、その後はリスクが下がっていくことがわかっていますが、「いつまで仰向け寝をさせるべきか」というガイドラインは定まっていません。
窒息は、顔が埋もれてしまうような柔らかい布団や枕で呼吸口が塞がれてしまい、起こる事故です。うつぶせで寝返りが打てないとやはり窒息してしまうことがありますし、添い寝していて大人の布団や枕で窒息したり「川の字」になって寝ていて親の体に圧迫され窒息したケースもあります。
どちらの場合も言えるのは、とくに寝返りが打てない乳児のうつぶせ寝は危険だということです。自分で寝返りしてうつぶせになってしまう子もいますが、少なくともうつぶせで寝かしつけることは避けたほうがよいでしょう。また、最近の大人用の布団や枕は柔らかいので、添い寝したままで寝てしまうのはあまりお勧めできません。抱え上げると起きてしまうお子さんも多いので大変だとは思いますが、深く眠ったらベビーベッドに移すのがいいですね。
ちなみに件数は多くありませんが、ベッドと壁の隙間に落ちるなど、転落による事故もあります。大きい子なら受け身がとれるので大怪我の危険は減りますが、小さい子はそうはいきません。寝返りもハイハイもできない子どもでも、ずりずり動いていると思わぬ距離を移動してベッドから落ちてしまうこともあります。やはり大人用のベッドは危険です。
万一転落した場合、顔色が悪い、手足を動かせないなど様子がおかしい時はすぐに救急受診を。目立った外傷がなければ吐き気や頭痛、意識の混濁などに注意して、1日は家庭で経過をみましょう。
柳瀬 徹 (フリーランス編集者、ライター)