毎年、冬になると猛威を振るうのがさまざまな感染症。風邪やインフルエンザだけではなく、ノロウイルスも感染のピークを迎えます。
いったん家庭内に菌が入ると、家族全員が感染して寝込んでしまう可能性も大。では、そんなノロウイルス感染予防のために注意すべきこととはいったいなんでしょうか?
今回は、厚生労働省のサイトや米国疾病予防管理センター(CDC)のサイトを参考にお伝えしましょう!
■ノロウイルスは経口感染がほとんど
厚生労働省によると、ノロウイルスの潜伏期間は通常24~48時間だそうで、感染したら1、2日で発症することになります。平成27年度の感染者数は14,876人。感染に気付かず治った軽症の場合も考えられることから、実際の数はそれより多いものと思われます。
ノロウイルスの感染経路としては、口を通じて体内に入る“経口感染”がほとんどだそうです。同省によると、
(1)患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合(2)家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合(3)食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合(4)汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合(5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合
などの感染経路が存在するそうです。
上記のうち、普通に暮らしていて(1)と(4)、(5)は学校や職場、家庭内でこのような状況が起こることは考えにくいため、(2)及び(3)が日本における主な感染経路であると仮定してもよいでしょう。
人から人へのノロウイルス感染予防上のキーワードは、“飲食物”や“飛沫感染”ともいえそうです。
■ノロウイルス感染の症状と予防対策とは
厚生労働省及びCDCのサイトによると、ノロウイルスに感染して発症した場合の主な症状は吐き気や嘔吐、下痢であるそうです。また、発熱を伴う場合はあっても通常は軽度で済むそう。
症状は1~2日で治まり後遺症もないそうですが、CDCによると感染後の治療法は今のところないそうで、出来れば感染したくないものです。
CDCによると、感染予防のポイントは以下の5つ。
(1)トイレやおむつ替え、外出後、調理時、食事前などに手をよく洗う(2)野菜や果物はしっかり洗い、魚介類はしっかり火を通す(3)感染したら調理及び他の感染者の看護をしない(4)症状が出たら、キッチンやトイレなどの除菌を行う(5)感染者の衣服やシーツなどは直ちに洗濯する
これだけしっかり予防対策をしていても、ウイルスは目に見えないため、100%の予防は難しいかもしれません。しかし、ノロウイルス感染の可能性を予め考慮し、注意深く行動することで、予防できる可能性は格段に大きくなると思われます。
以上、ノロウイルスの症状や予防などについてご紹介しましたが、いかがでしょうか? 衛生のほかにも、普段から健康のために免疫力を強化しておくことも、感染症予防の大きなカギかもしれませんよ!
(ライター 相馬佳)