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訪問介護は1人、事件防止は困難 監視届かず、スタッフの良心頼り

訪問介護先の利用者の財布から現金を盗んだとして、福井県永平寺町の介護福祉士の女(30)が10月に2度にわたり逮捕された事件。訪問介護は1人だけでの介護になりがちで、他人の目が届きにくい盲点を突いた犯行といえる。福井県内介護業界からは「業界全体のイメージダウンにつながりかねない」と憤る声も。国の施策で訪問介護が推進されているが、再発防止には介護スタッフの倫理観の醸成しか手がないのが現状だ。

 福井署や雇用していた業者によると、この介護士は10年以上勤務。被害に遭った福井市内の60代女性宅では週1回、1人でトイレ介助や身の回りの世話などに従事していた。この女が出入りした後に限って、財布のお金が減っていることを不審に思った女性が同署に相談、容疑が分かった。

 被害女性は1人暮らし。女性の母親によると、女性は事件直後「自分は体が不自由だし、言葉もうまく話せないから『財布から金を盗んでも分からないだろう』とばかにされていたのか」と話し、自らを責めるように悔しさをにじませていたという。

 事業所の代表者は「大変申し訳なかった。(女の素行を)見抜けなかった責任はある」と事件を重く受け止めている。高齢者施設でつくる県老人福祉施設協議会の荒木博文会長は「懸命に介護に取り組んでいる職員たちまでもが、同じように疑いの目で見られてしまう」と残念がった。

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 2014年6月、地域医療・介護総合確保推進法が施行され、国は高齢者が住み慣れた地域で生活していけるよう介護、医療を充実させる「地域包括ケアシステム」を推進。訪問介護サービスの需要が高まっている。

 訪問介護には国家資格の介護福祉士のほか、国指定の研修を終了した訪問介護員が従事する。現在の介護保険制度では、一つのサービスに対する報酬額が一定のため、複数人を充てるのは難しいのが現状。個人宅で1人で介護に当たることが多いだけに監視は困難で、今回のような犯罪は防ぎにくい構造がある。

 県内のある事業所は「個人の資質に頼るところが多いのが実情。全員を監督するには限界がある」と漏らした。

 県ホームヘルプサービス事業者協議会は毎年、事業者と従業者向けの研修会を開催。技術的なものの一方、自分の感情のコントロールなど精神面も教えている。ただ協議会の会員ではない事業者からは「研修会などに参加させるだけの余裕がない」といった声もあるという。
福井新聞社

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