JA全農にいがたは7日、今年の県産米コシヒカリの卸売業者への販売価格(60キロ当たり)を発表した。高級ブランドの魚沼産(1等米)は平成27年産の1万9800円を据え置き、3年連続の2万円割れとなる。消費者の低価格志向から高級米の販売が伸び悩みつつあることを踏まえ、判断したという。
新潟市内のホテルで同日、全国のコメ卸売業者や県内の農業関係者らを招いて開いた「新潟米懇談会」で卸売価格を説明した。魚沼産以外では、村上市などの岩船産と佐渡市の佐渡産は1万6300円、その他の「一般」は1万6千円。魚沼など4つの産地では昨秋、卸売価格を500円引き上げており、今年は値上げを見送った格好だ。
価格を据え置いた背景には、コンビニエンスストアで販売する低価格米の需要増や、産地間競争の激化がある。JA新潟中央会の今井長司会長は「販売状況は厳しく、農家の所得を確保したいとの思いで価格を決めた。何としても売り抜きたい」と記者団に語った。
JA全農にいがたは、主食用のコシヒカリについて前年並みの15万800トンの販売を計画している。28年産米は一般コシヒカリが16日に出荷された後、他の産地米も順次販売される。
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