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はしか急速流行…おそるべき感染力、免疫ないと100%発症

 今、麻疹(はしか)の流行が大きな問題となっています。前回のコラムでは、幕張メッセのコンサートを訪れた男性が、麻疹に感染していたというニュースをご紹介しました。その後も、立川でのアニメ関連イベント、そして関西国際空港での集団感染と、日本の各地で麻疹発生が報告されています。麻疹は空気感染する、感染力の強いウイルス感染症です。今回は、麻疹対策の難しさ、そして今知っておきたい対応について解説することにしましょう。

 大阪府からの発表によると、関西空港で発生した麻疹の感染者は、接客業務を担当した従業員を中心に9月4日時点で計34人となっています。そして、さらに感染者は増えていくのではないかと危惧されています。

 どうして麻疹の感染は、こんなに急速に広がっているのでしょうか。その理由を知るためには、麻疹の感染力、潜伏期間、症状などを理解しておく必要があります。
空気感染する感染症
 麻疹は「空気感染」する感染力の強い感染症です。一般的な感染症で「空気感染」するのは、麻疹、水痘(みずぼうそう)、そして結核の3つしかありません。この「空気感染」を理解するためには、「 飛沫ひまつ 感染」と「空気感染」との違いを知っている必要があります。

 「飛沫感染」では、くしゃみや 咳せき などで水分を含む重く大きな粒子が飛ぶため、2m以内でほとんどの粒子が床に落ちてしまいます。したがって、距離が離れていれば直接の感染はありません。インフルエンザなどの一般的な呼吸器感染症のほとんどは、この「飛沫感染」によって感染します。一方「空気感染」では、小さく軽い粒子が空中を長く浮遊することで、非常に感染しやすい状況になってしまいます。

 麻疹は、一般的な感染症の中では最も感染力が強いことが知られています。この「感染のしやすさ」を知るために参考となる数値に「R0 (基本再生産数)」というものがあります。仮に、ワクチン接種などを受けていない、感染しやすい人が集まっている集団に、ある感染症をもった人が入ってきたとしましょう。その場合に、感染症をもった1人が平均して何人に感染するのかを、この「R0」という数値が示します。

 「R0」が1であれば、1人から1人に感染させるということを意味します。みなさんもよく知っているインフルエンザでは、この「R0」は1~2くらいといわれています。つまりインフルエンザに感染した1人は、まわりの1~2人に感染させることになるわけです。

 では、麻疹の感染についてはどうでしょうか。なんと、麻疹の「R0」は12~18、つまり麻疹を発症した1人は、まわりにいる麻疹に免疫のない12~18人もの人たちに感染させてしまうのです。

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