県内の首長5人が6日、長岡市役所に森民夫市長(67)を訪ね、9月29日告示、10月16日投開票の知事選への出馬を要請した。森市長は「重く受け止めざるを得ない」と応じ、出馬に前向きな姿勢を示した。ただ「現在は白紙」だとして、態度を明確にすることは避けた。これまで知事選に出馬を表明しているのは泉田裕彦知事(53)だけで、両氏による事実上の一騎打ちの構図になる可能性が強まってきた。
出馬要請に訪れた首長は、三条市の国定勇人市長▽村上市の高橋邦芳市長▽妙高市の入村明市長▽聖籠町の渡辺広吉町長▽田上町の佐藤邦義町長。
森市長との面談で、三条市の国定市長は「市町村長の良きリーダーとして国との信頼関係を構築してきた森さんに、立候補してほしい」と求めた。村上市の高橋市長は「泉田知事からは県民に寄り添う気持ちが伝わらない」と指摘した。
また、県町村会長を務める聖籠町の渡辺町長は「県政発展のために早く決めてほしい」と強く立候補を促し、田上町の佐藤町長も「新潟の発展のために」と求めた。県市長会の副会長を務める妙高市の入村市長は「やり切れない思いを持つ市長が多く県全体が閉塞(へいそく)状態にある」と語った。
5人の首長からの要請に対し、森市長は「すごく重い。私の腹に納まることを言ってもらった」と応じ、知事選への出馬を前向きに検討する意向を示した。
ただ、森市長は昨年11月に5選を果たしたばかりで、任期を3年以上残している。このため「市政を投げ出す形は(私には)見えないが、市民にどう説明し、市民がどう納得してくれるか」と慎重な考えも示した。その上で「県政を担当することと長岡市の発展が同じ方向にあると確信が持てるかが最後の決め手になる。少し時間をほしい」と述べ、態度を保留した。
森市長が会長を務める市長会と町村会は、泉田知事の3期約12年にわたる県政運営を批判した検証文書を5月に提出し、泉田知事と対立している。面談の席上、国定市長は「検証で懸念していたコミュニケーション不足が図らずも露呈した」と指摘し、泉田知事への失望感をあらわにした。
面談後、国定市長は「市町村長が義憤を感じ、自然発生的にこの日を迎えた」と記者団に強調した。
泉田知事の後援会から市長会などが受けた推薦依頼について、森市長らは「市長会で決めていないが、推薦に関する議論は今後行わない方向」としている。
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